急にお腹が痛くなってきた…ハンパじゃなく胃が痛い!…これって急性胃腸炎?ストレス性胃腸炎?

・・・突然の腹痛は非常につらいものです。悪いのは胃か腸か、それとも…?と、どう対処して良いか分からずにたじろいでしまうものです。

病院にすぐにいって診察を受けることがまず大事ですが、その前に胃腸の病気のことや、対処の仕方を理解しておけば、気分的にずいぶん違うのではないでしょうか。

胃腸の急な痛みや、症状について解説します。

あなたの胃腸の痛みが少しでも早く緩和していきますように。


急性胃腸炎とは?

急激に胃や腸に激しい痛みが生じ、下痢や嘔吐を伴います。

急性胃腸炎は、ウイルスが原因となる「感染性胃腸炎」であることが多いですが、激しいストレスが原因となる「神経性胃腸炎」によって、胃腸に激しい痛みを伴う場合があります。

急性胃腸炎についての理解を進めて行くために、「感染性胃腸炎」と「神経性胃腸炎(ストレス性胃腸炎)」それぞれの特徴を見ていきましょう。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌が原因の胃腸炎です。感染性胃腸炎は、さらに「ウイルス性胃腸炎」と「細菌性胃腸炎」の二つに分けられます。

ウイルス性胃腸炎の原因は、「ノロウイルス」や「ロタウイルス」によるものが多く、主に冬場に流行しやすくなります。

また、細菌性胃腸炎の原因としては、「病原性大腸菌」や「サルモネラ菌」などがありますが、これらの菌が原因で食中毒となる場合があります。そして、主に夏場に流行しやすいことが特徴です。

感染性胃腸炎の症状は?

感染性胃腸炎の主な症状は、吐き気から始まって嘔吐、腹痛から始まって下痢となるほか、38度程度の熱が出る場合があります。胃の炎症となっている場合は嘔吐になりやすく、腸の炎症となっている場合は下痢になりやすいです。さらに症状がひどくなると、脱水症状を引き起こすこともあります。

多くの場合は、1日から2日程度で症状が改善しますが、ウイルス・細菌の種類や身体の状況によっては、下痢が一週間程度続くなど、症状が長引く場合があります。こまめな水分補給が大切です。

感染性胃腸炎の予防は?

感染性胃腸炎は、その名前の通り、うつりやすいことが特徴です。特に、ノロウイルスやロタウイルスは、10個から100個程度の菌で感染してしまうために、感染力が強いウイルスと言えます。そのため、普段から感染しないように予防することが大切です。

感染性胃腸炎の予防は、こまめに手洗いをすることです。特に、トイレの後、食事の前には手を洗うようにしましょう。また、食品は良く加熱してから食べるようにしましょう。目安は、食品の中心温度85度で1分間加熱です。加熱をしっかりと行うことで、感染する可能性が低くなります。

ストレス性胃腸炎(神経性胃腸炎)

神経性胃腸炎とは、胃や腸に痛みを感じるものの、内視鏡で検査すると異常が見られないことが特徴です。異常が見られないために原因が特定しにくいのですが、もともと、胃はストレスに弱いことから、ストレスが原因で胃腸炎が発症してしまうと考えられています。

ストレス性胃腸炎(神経性胃腸炎の症状は?

神経性胃腸炎の特徴は、胃がキリキリと痛むことや、胃のもたれを感じることです。そのほか、吐き気を感じたり、胃酸がのど元あたりまで逆流したりする場合もあります。胃酸は、酸度が高いために、逆流してくると酸っぱさを感じます。

感染性胃腸炎が急激に痛みを感じるのに対し、神経性胃腸炎は、特にストレスを感じたときに胃の痛みや胃のもたれが生じる傾向にあります。

ストレス性胃腸炎(神経性胃腸炎の予防は?

神経性胃炎は、ストレスが原因とされていることから、ストレスを解消することが一番の予防法となります。仕事が休みの日は、思う存分休む、気分をリフレッシュさせることも大切です。

また、落ち込みすぎたり、クヨクヨしすぎたりすることも、神経性胃腸炎の原因となる場合があります。細かいことは気にしすぎず、気持ちの切り替えを行うことも大切と言えるでしょう。

感染性胃腸炎と神経性胃腸炎の違いは?

感染性胃腸炎は前兆がほとんどなく、急激に痛みが生じることが特徴です。急激な胃の痛み、吐き気、下痢のほかに、発熱もある場合は感染性胃腸炎の可能性が高いです。至急、医師の診断を受けましょう。

また、神経性胃腸炎の場合は、胃にキリキリとした痛みを感じますが、そのほかの特徴としては、胸焼けや胃酸の逆流などがあります。そのため、胃がムカムカしたり、のど元が酸っぱくなったり場合があります。

そして、神経性胃腸炎の場合は、特にストレスを感じているときに強く症状が出やすくなります。

いずれの胃腸炎にしても痛みが激しい場合は、医師の診断を受けるようにしましょう。

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ストレス性胃腸炎以外にもストレスでお腹が急に痛くなる病気

胃潰瘍

胃酸が胃の粘膜まで消化してしまう症状のことです。胃の粘膜の働きが正常であれば、胃は保護されている状態となりますが、胃酸が必要以上に分泌されたり、何らかの原因で胃の粘膜の働きが弱まったりすると、胃の粘膜が胃酸によって傷つきはじめ、さらに症状が悪化すると胃潰瘍となります。

胃潰瘍の原因は?

胃潰瘍の原因は、飲酒や喫煙などがありますが、過度のストレスも原因となります。胃潰瘍になると、空腹時や夜中などに胃が痛くなることがあるほか、症状が進むと、背中が痛くなる場合があります。これは、胃に穴が空いたことが原因で、他の臓器も影響を受けるためとされています。

胃潰瘍の前兆

胃潰瘍は、吐き気や胃酸の逆流が起きる場合があります。この点は、胃腸炎と似たような症状ですが、胃の粘膜が胃酸でやられていることから、食事をした後に胃の痛みを感じることがあります。さらに、胃潰瘍になると胃の働きが不十分になり、食べたものが消化されにくく、長い間胃にとどまることから、食欲不振になる場合があります。

このほか、背中にも痛みが生じると胃潰瘍の可能性が高くなります。

過敏性腸症候群

お腹が痛くなる、または、お腹が張っているような感覚が続きやすく、下痢や便秘を繰り返す症状です。下痢だけ続くケースもあれば、便秘だけ続くケースもあります。さらに、下痢や便秘を繰り返す場合もあります。

過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群は、神経性胃腸炎と同様に、検査しても明らかな異常が見られないことが特徴です。原因としては、過剰な飲酒や食べ過ぎ、または、ストレスによるものと考えられています。

さらに、細かいことを気にしすぎてしまったり、「また下痢に襲われるのではないか」という不安を持ったりすることで、下痢を繰り返してしまうことがあります。

過敏性腸症候群の前兆

過敏性腸症候群の主な症状は下痢や便秘ですが、下痢の場合は一回では治まらず、一日に何度も下痢をしてしまう場合があります。また、便秘の場合は、お腹が張っているような状態が続いてしまう場合があります。

そのほか、お腹の調子が不安定で下痢や便秘を繰り返している場合も、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。

慢性胃炎の場合は?

急性胃腸炎とは違って慢性の胃炎の場合は、胃もたれや、不快感、食欲不振、胸やけ、膨満感、げっぷなどの症状が続きます。ものすごく急にお腹が痛くなるという症状のものではありません。

また、慢性胃炎の原因のひとつとして、ピロリ菌に感染していることが多いことがわかってきています。

ピロリ菌は胃癌の原因ともなりますので、上のよう症状が続く場合は、病院で検査してピロリ菌が見つかれば早めに除菌することをお勧めします。


ストレスによる胃腸炎を防ぐためには?

過大なストレスに遭遇しないこと

ストレスによる胃腸炎を防ぐ基本は、当然といえば当然ですが、「激しいストレスを受けないこと」です。特に、胃はストレスを感じやすい臓器なので、過度のストレスは胃に負担がかかりやすくなります。

仕事の大きなプレッシャー、突然の重大で困難な出来事など、なるべく避けるように普段から配慮しておきます。

ストレスをためこんでいかないこと

また、少しづつのストレスでも、やはり少しづつ胃腸に影響を与えてしまいます。そんなストレスを溜め込んでしまわないためには、適切なストレスの解消が大事です。

ストレスを解消するには、休みの日は仕事のことを考えずに思いっきりリフレッシュすること、趣味に没頭すること、仲間とワイワイ騒ぐことなど、気持ちを切り替えるだけでも、ずいぶんと違ってきます。

精神的にもリラックスさせることが大切と言えるでしょう。

クヨクヨしすぎない

ストレス性胃腸炎を防ぐためには、「クヨクヨしすぎない」ことも大切です。クヨクヨしてしまう傾向にある人は、細かな点にも気がつけることから、細やかな気配りができるという長所を持っているケースが多いのですが、精神的に細やかであることから、悪くとらえてしまうとマイナス思考となってしまい、それが積み重なると、胃が痛くなってしまうことがあります。

自分が気にするほど、まわりの人は気にしていないものです。相手は相手、自分は自分と割りきりましょう。ドンと構えることも、ストレス性胃腸炎の対策となります。

普段から身体を温める

ストレス性胃腸炎にかかわらず他の病気にも当てはまることですが、普段から身体を温めておくことで、症状を和らげることができます。

身体を温めることは、血行を良くすることにつながります。血行が良くなると、全身に栄養素が補給されやすくなることから、臓器の働きが活発になりますし、また、老廃物が排出されやすくなるので、身体を健康な状態に保ちやすくなるのです。

できれば、温かい飲み物などを飲んで、身体の内側から温めましょう。外側から身体を温めるよりも、内側から身体を温めた方が、より効果的に身体を温めることができます。

仕事よりも身体を大切にする心がけ

多くの会社では人手不足の傾向にあることから、一人あたりの仕事量は全体的に増加傾向にあります。また、重要な仕事を任されていると、自分自身が頑張るしかない、と考えることから、無理をしてでも業務をこなさなければならない場合があります。

しかし、身体の具合が悪くなってしまっては、元も子もありません。仕事をしなければ、給料を稼ぐことはできませんが、身体の具合が悪くなってしまっては、仕事すらできない状態になりかねません。

オーバーワークになっているなら、作業の方法を改善したり、他の方に作業が振れるようであれば作業を振ったりするなどして、無理のない作業を行い、身体を大切にすることを心がけましょう。


体が資本!胃腸の病気は、これまでの働き方を見直すチャンス

ストレス性の胃腸炎にかかってしまうと、胃や腸がキリキリと痛んで仕事がなかなか手に付かなくなってしまう場合もあるでしょう。なんとかして、胃や腸の痛みを軽くしたいと強く思うのではないでしょうか。

しかし、これは見方を変えれば、今までの働き方を見直すチャンスと言えるのではないでしょうか。

「がむしゃらになって働き続けなければならない」と思って、これまで頑張ってきたかもしれませんが、実は、もっと効率的に作業を行う方法があるのかもしれません。

また、多くの人たちで作業を割り振りすれば、もっと効率的に作業ができるかもしれません。

身体に痛みを感じなければ、ずっと同じやり方で仕事をこなし続けていたことでしょう。自分自身の身体が発する声に耳を傾け、自分自身をいたわるようにしてみてはいかがでしょうか。

すぐにできる胃痛の対処法については、
胃が痛い…これってストレス?…すぐできる胃痛の対処法7つ

仕事でのストレスの具体的な症状については、
>職場でのストレス症状。胃・腸・心が病む前にチェックする項目

過労による症状については、
過労の症状がでたら…倒れる前に休みたい…14の前兆

急性の症状については、病院で診察をうけるなど、ともかく身体をいたわることを最優先に行動しましょう。あなたが早く元気になりますように。