生命保険って入る必要性あるんでしょうか?
いろいろ調べてみると、必要ないです!
しかし、生命保険はいらない…と言って断りきれなかったあなた。
付き合いなどの事情で入る必要性のある人もいますよね。
でもそんな理由で入った保険は、当然自分にマッチした商品じゃありません…。
例えば、あなたが30歳独身のサラリーマンだったとして、そもそも保険に入るべきか否かも疑問です。
そんなあなたのために、最低限コレだけ入って言い訳にするには何がいいのか調べてみました。
生命保険はいらないんじゃ…?ホントに必要性あるの?
生命保険は、自分が死亡した時に、自分じゃない誰かが受け取るためのもの。
自分の収入で生活している家族がいれば別ですが、もし独身ならよくよく考えると必要ない。
あるいはすでに入っている場合は、もっと適切な保険に乗り換えが適切なのかもしれません。
ですが、ヘタに保険の外交員に相談したりしようものなら、より手厚い保障の高額な支払い額の商品を勧められたり、それまでより利率が悪くなったりすることもよくある話。
変な乗り換えはしっかり断って、自分に本当に必要な分だけに見直すためにチェックする項目を紹介します。
1:「もしもの時に必要」と思って入っているんだけど…
これは、保険加入のもっともダメなパターン。
そもそも保険とは相互扶助の制度・サービスで、国民健康保険をはじめとする公的保険、さらには保険会社が扱う私保険があります。
ここで取り上げるのは主に個人で任意に加入する後者についてですが、基本的に考えたいのは「もしものとき」に強い味方になってくれるのは保険ではなく「現金」だということです。
ここを間違えてはいけません。

保険は相互扶助の制度・サービスと先ほどいいました。
その仕組みは加入者から保険料を集め、そこから保険会社の人件費や広告宣伝費といった経費を差し引き、その残りを有事の際に分配するといったもの。
ならば、トータルの払い込みに対してリターンが少なくなるのは当たり前です。
このカラクリをわかっているでしょうか。
例えば終身タイプの医療保険の場合、支払った額がどれだけ戻ってくるかを表す還元率は75%程度。
ギャンブルと同じで、結局儲かるのは胴元=保険会社ということになります。
仮に100万円を払っても返ってくるのはそれ以下なのですから、現金で100万円貯めておいたほうがお得ではないでしょうか。
なお、保険会社の会社員ほど、自社の商品に加入していないと元保険会社に勤めていた専門家は言います。
2:手厚い医療保障って、必ず必要なの?
「入院や通院に対して1日1万円」といった手厚い補償が医療保険のウリですが、そのために毎月大切なお金を投じるのは正しいかというと、答えはノーです。
それより大事なのは、やはり現金です。
貯蓄で対応できるなら、医療保険は必要ありません。
投資に対してリターンが少なく、また10年以上など長期で利用する場合は保険会社の倒産リスクも考慮しなければなりません。

それよりも前にチェックしておきたいのは、さまざまな制度について。
まず公的健康保険による「高額療養費制度」です。
一般的な収入の現役世代なら1カ月に何十万円の医療費がかかったとしても、自己負担は8万~9万円程度。
それ以上は免除されます。
ちなみに、35~36歳における退院患者の平均在院日数は、全傷病で約30日。
脳梗塞など脳血管疾患だと約60日。
高額療養費制度を使うなら18万円の貯蓄があれば、それで十分ということになります。
また、病気やケガで会社を休んだ場合は、1日につき被保険者の標準日額3分の2に相当する金額が「傷病手当金」として、最長1年6カ月は受け取れるので、やはり必ずしも民間の医療保険に入る必要はありません。
企業によっては独自の福利厚生を提供しているケースもあるので、こういった制度をあらかじめ確認しておくことも大切です。
「どうしても心配だから入っておきたい」というなら、勤務先が加入していて保険料が安い「団体保険」や、年齢によっては民間保険より安価で済ませられる「都道府県民共済(総合保障型)」がお勧めです。
また、知っておきたいのは保険のワナ。
例えば終身医療保険の場合「1入院60日を保障」と謳っていたとしても、入退院の間隔が180日以上空いていないと1入院とカウントされることも。
あっという間に保障枠を超えてしまいかねません。
日帰り入院に対応する商品もありますが、病院の処置室にいるだけでは入院扱いにならず、明細に記載されることもないので、保険金がおりないこともあるようです。
3:高額の死亡保障は、子育て世代以外には不必要!
被保険者が死亡することで支払われる死亡保険も、人気の商品です。
確かに、「自分が亡くなったら3000万円」といった補償が受けられるとなれば、残された人も安心です。
じつは、この「残された人」というのがポイントで、これが死亡保険が必要かどうかをジャッジする基準になります。
第一にいえるのは、独身だと死亡保険はいらないということ。
「葬式代くらいは保険でまかないたい」という声もあるでしょうが、ご安心を。
会社によっては死亡退職金や死亡見舞金、弔慰金が出るケースがあります。

「家族が心配」という意見もありますが、やはり企業によっては遺族年金や育英年金制度を提供していることも。
公的保障である遺族基礎年金、遺族厚生年金もありますから、これらでまかなえるなら死亡保険は必要なく、反対に足りないならその分だけに保険を活用すればいいのです。
ですから、高額の死亡保障に大金を投じる必要はありません。
「残った住宅ローンが……」と思う人もいますが、ローンを組む際は死亡・所定の高度障害になると残債分が受け取れる「団体信用生命保険」に加入させられます。
よって、死亡保険が必要なのは、子どもが小さいなど養育費がまだまだかかる段階のみ。
必要なお金を計算して、それだけを掛け捨ての商品でカバーすればいいでしょう。
成人すれば、解約すればいいのです。
4:がん治療は、意外とお金がかからないらしい…
高額な治療費がかかるというイメージの、がん。
これに備えた保険商品も人気のジャンルですが、考え直す必要がありそうです。
というのも、40歳男性が向こう10年でがんになる割合は2%程度。
さらに、年間80万人ががんと診断されるものの、先進医療を利用するのは3,000人にすぎません。
これほどのレアケースに対して保険料を払うのは極めてナンセンスですし、元は取れないことがほとんど。
そもそも、通常の治療なら高額療養費制度(1ヶ月に10万円以上医療費がかかったら払った費用が戻ってくる)が使えるのですから、がん治療=高額というのは真っ赤なウソです。

保険会社のアフラックによると、入院・食事・交通費などを含むがん治療全般にかかる費用は、「50万円程度」と「100万円程度」で約7割を占めているとか。
貯蓄でまかなえるなら、がん保険は必要ありません。
先進医療に関しても、最先端の粒子線治療は前立腺がんや肺がんといった、一部のがんにしか使えず、これを期待してがん保険に入っても、必ずしも先進治療の恩恵を受けられるとは限りません。
さらに気をつけたいのは、先進医療の保障対象は「技術料」に対してのみ。未承認の薬代や高額の機器使用料は対象外で、保障されないこともあるので注意しましょう。
5:老後の安心のために、保険は必要かどうか?
老後の生活を考えて個人年金保険、貯蓄と保障を兼ね備えた養老保険に入る人もいます。
将来の不安を解消するためでしょうが、これも微妙なところ。
何十年も自分自身のお金を保険会社に預けるわけですが、会社がつぶれないという保証はどこにもありません。

それに、100万円を払い込んで10年後に110万円のお金が受け取れるとして、そのときに金利や物価は大きく変化している可能性もあります。
お金の価値が大きく上下するかもしれないのに、運用を任せてしまっていいのでしょうか。
むしろ、自分で投資したほうがいいかもしれません。
例えば債券で運用する個人年金保険がありますが、保険料には手数料が含まれています。
それなら、自分で個人国債を買えばすむことです。
老後の不安という点では、民間の介護保険(以下、介護保険)も近年は注目されているジャンル。
ただし、補償の対象になるのは「要介護度2以上」など制限があることがほとんど。
なお、人が要介護状態になる年齢は75歳以降が多く、例えばいま30歳だとして、45年先のことを心配して毎月お金を払い続けるのは、果たして適切な行為でしょうか。
それなら貯蓄するほうがマシで、体の衰えが気になるならジムに行くなりジョギング・ウォーキングをするなり運動習慣を身につけ、食事内容にも気を配ったほうが、よほど介護状態から遠ざかることができます。
最初に考えないといけないのは「介護状態になったら……」ではなく、「介護状態にならないためのライフスタイル」なのです。
なお、介護保険には「慢性疾患や難病に該当」という条件が含まれることも多いようです。
ところがこれもワナのようなもので、実際のところこれらの傷病に該当するする人は保険加入を断られるケースが多く、反対に入れるような人はレアな慢性疾患や難病になる確率は低いということ。
せっかく入ったとしても、使いどころがないという結果になりかねません。
◎生命保険よりも、いまを生きる現金を貯めること!
いかがでしょうか。
「もしかすると、いまの保険はムダなのでは?」と思った人も多いはずです。
実際いま30歳前後で独身だったらほとんど必要ないケースがほとんどです。
ポイントは、「手元の現金(貯蓄)>保険」という基本的な構図を頭に入れておくこと。
保険はそれでまかないきれない部分をカバーするだけでよく、手厚い補償がマストではありません。
最近は、ネット生保を中心にリーズナブルな保険料の商品も増えていますし、そもそも勤務先に便利な制度があることも。
定期保険であれば更新のタイミングで保険料が大幅にアップすることもありますから、これらを活用して毎月のランニングコストを減らすことこそ、最大の「未来の備え」=保険になるのかもしれません。
特約ってホントに必要かどうか、さらに調べてみたい人は、
→「生命保険の損得は?医療保障の特約には入った方がいいの?」
具体的にどの保険ショップに行くといいのかは、
→「保険の見直しもセカンドオピニオンの時代へ。相談するならどこがおすすめ?」
お得に保険を見なおして、あなたが安心して働けますように。