うつ病と診断されて仕事を辞め、会社を退職したあなたは
- 「将来どうなるんだろう?」
「再就職できるのだろうか」
と、さぞ不安になることでしょう。
辞めたことを後悔している人もいるかもしれません。
焦る気持ちはよくわかります。
しかし、うつ病が原因で会社を退職したあなたは、まず鬱病を治療するのが第一です。
そして再発防止に気をつけながら、ゆっくりと再就職を目指しましょう。
その間をどう過ごすのがいいか、治療中の過ごし方について紹介します。
また、現在の心境についてあなたに質問しますので、いまのあなたに合ったアドバイスを見つけてください。
うつ病で退職したら、再就職までの過ごし方で大切なこと
鬱病と診断されて仕事を辞め、会社を退職したならば、まずは治療に専念すること。
治りきっていないうちに働いたり仕事探しをしていては、せっかく治療して克服しつつあったうつ病を再発し、治療が長期化するリスクが高まります。
あなたは焦って何かしようとしていませんか?
ムリをしていないか、以下の質問でチェックしてみましょう。
退職した今のあなたの心境と対処法
あなたの気持ちで、一番近いものはどれでしょうか?
1)後悔している
- 「うつ病にかかって退職することになってしまい、とても悔やんでいます。」
悔やんで悩んでいても良い結果は生まれません。
まずは病気を治すことに専念しましょう。
2)会社や職場のメンバーに迷惑をかけてしまった
- 「自分が辞めたことで皆んなに迷惑をかけてしまい後悔しています。」
いくらも後悔して居ても良い方向へは向いません。
迷惑を掛けた方の為にも元気な体に戻りましょう。
3)少し開放された気分
- 「退職したことで、心が少し解放された気分です。」
うつ病になるほどの環境で仕事をされて来たのですから、一度、心も体もリセットしてゆっくり休み、心身ともに健康な体にしましょう。
身も心も開放して、リラックスして過ごしてください。
4)強い不安感を感じている
- 「ずっと強い不安感を感じていて、よく眠れません。」
医師から処方された薬を用法・用量を守って、欠かさず飲み続けましょう。
そしてじっくり体を休めましょう。
焦らずとも大丈夫。
必ず良くなりますから、心配せずに治療に専念しましょう。
薬が効き、症状が少し良くなり始めるのに10日から2週間程度はかかります。
一番いけないのは、自己判断で薬の服用を辞めてしまう事。
そして、医師に不信感を抱き病院を変えてしまう事です。
落ち着いて、時間をかけて治療をしていきましょう。
5)退職してしまって後悔している
- 「退職してしまった事に後悔していて、辞めずにもっと頑張れば良かったと思っています。」
退職せずに仕事を続けていたらうつ状態がもっとひどくなっていて、いずれにしても仕事の継続は不可能だったことでしょう。
まずは済んでしまった事を悩むよりも、病気を早く治すことに専念しましょう。
うつ病のまま仕事を続けていたら重症化するだけで治りが遅くなるばかりか、治ったとしても再発のリスクが高くなるだけで、うつ病の長期化につながり最も良くない事です。
再発を繰り返せば、精神的にも経済的にもより長く苦しい生活を強いられます。
辞めて正解だったのです。
6)仕事を続けられる筈だったのに…以前の仕事をしたい
- 「前は成果も出していたし、好きな仕事だったのに、なぜ辞めてしまったのか…。」
医師から、うつ病と診断されて退職したのであれば、すでに「軽度のうつ病」ではありません。
おそらく仕事のパフォーマンスも極端に低下していたことでしょう。
そんな状態で仕事に行っても会社に迷惑を掛けるだけです。
さらにそのまま仕事を継続することは症状の悪化・長期化につながり、病気が治り難くなってしまいます。
ここは治療に専念し、まずはうつ病を治しましょう。
すっかり元気になって活力が戻ったら、以前の仕事以上にあなたが力を発揮できる仕事はきっと見つかります。
7)早く気づいていれば良かった。残念だ
- 「うつ病にもっと早く気付けば退職せずに済んだのに、残念でならない。」
うつ病は、例えると「コップに注いだ水が一杯になって、溢れ出した時の状態」です。
気付いた時は既に発症した状態なのです。
早期に気付く為にはメンタルヘルスの知識を身に付けていて、それを自分に当てはめて検証することが必要です。
そんなことは普通の人にはできません。
しかし、一度経験したことで、今後はどの状態になったらどう手を打つかを知ることができたと思います。
この休養の時間を有効活用して、さらに詳しく知識を身につけてみては如何ですか。
さまざまなメンタルヘルス不調についてはこちら、
→「仕事に不安、悩み、ストレス…メンタルヘルス不調での心の病気の種類」
ストレスと病気の種類については、
→「この症状もストレスのせい?…仕事でのストレスの分類と病気の例」
8)早く次の仕事を探さないと!…
- 「次の仕事を探してハローワークに通い始めた。」
退職後はうつ病を治すことに専念しましょう。
治ってないのに何か行動しようとしても、辛いばかりでなかなか成果が上がらず、場合によってはよけいに鬱を悪化させてしまいます。
薬を欠かさず飲み、充分な睡眠をとることに専念しましょう。
脳を休めることが、うつ病を早く治す何よりも大切なことです。
自分一人で絶対に悩んだりせず、家族や医師との話し合いを適時行う「会話の場」を必ず持ちましょう。
うつ病の再発を起こさないためにも充分な休養を取ることを最優先にしましょう。
中途半端な状態で社会復帰をしてしまうと再発のリスクが高まり、悪循環の原因にもなります。
9)いまはゆっくり休もう
- 「なにもする気が起きない。とりあえず休みたい。」
うつ病を治すためには休養が必要ですので、いまは元気が出なくても構いません。
むしろ、休むことはいいことです。
まずは治療を優先して、充分に休みましょう。
それ以外のことはすべて後回しで大丈夫です。
処方された薬を飲んで、のんびりと過ごしましょう。
うつ病で退職~再発防止に気をつけながら、
再就職までの過ごし方
退職してうつ病の治療をすることにしたのですから、いまは病気を治すことがあなたの仕事です。
再発を防ぐために、少しづつ治療のためにやることをやっていきましょう。

1)治療に専念
まずは、うつ病を治すことに専念すること。
それには、ゆっくりと休養することが最も大切です。
一日の過ごし方は、横になって休んだり、近所を散歩したり、心を落ち着けるような音楽を静かに聴いたりするのがいいでしょう。
2)薬をキチンと飲み続ける
医師から処方された薬を欠かさず飲み、自己判断で薬の辞めたりしないこと。
今の薬は非常に副作用が少なく、安心して服用出来ますので続けて飲んでください。
3)少しづつ周囲との会話の場を持つ
これからは、もっと家族や友人との会話の場を持ちましょう。
まずは、診察してくれている医師とでも結構です。
人と話すことだけで、悩みの70%は解決するとも言われています。
なによりも人と触れ合い、話をすることで心が落ち着きます。
同時に、話すことで人から良いアドバイスを受けることもあります。
4)うつの状態が良くなってきたら、人生の目的を考えてみる
精神・肉体共に発症前の状態に戻ってきたら、今後の人生の「目的」について考えてみましょう。
あなたには、時間は充分にあります。
早く「職」に付かないといけないと焦らずに、「自分が社会の中で出来ることは何か?」「何がしたいのか?」じっくり考えてみましょう。
最も大切なことは、『これからの人生を如何に生きるか』です。
うつ病になった過去の教訓を生かして、無理をせず、自分らしい人生を見つけてください。
5)治療が完了したら、鬱の体験を活かす
うつ病という病気に罹り、退職を余儀なくされてしまい「自分は弱い人間だ」と思い、これからの人生をネガティヴに生きていくのか。
それとも今回の教訓を生かして「これからの自分の生き方が大切だ」と思うか。
それによって人生が全く違うものになります。
挫折を味わい、苦しみ抜いた人こそ、きっと「人に対して優しくなれる」でしょう。
このかけがえのない経験を生かして、これからの人生をポジティブに人の役立てる様に生きてみるのも一つの方向です。
- 「心も体も健全にする」ための一番の方法
「目的」を持ち、「目標」を明確にしてそれに向かって「行動」を起こすこと
そうすれば、自然と「やる気」が湧いてきます。
脳内に「アドレナリンが放出され」自然と活力が湧いてきて、脳内の活性化につながり心も体も能動的になります。
貴重な経験を生かして、未来に向かって自分のしたい事の実現の為に、行動を起こしましょう。
メンタルヘルス(心の健康)にも気を配りながら、新たな生活へ歩いていきましょう。
焦らなくて大丈夫。鬱病はゆっくりと治すことが大切
質問と、再発防止のための過ごし方を見て、どう感じましたか?
質問に対するあなたの答えは、どれが正解というわけではありません。
あなたの気持ちをそのまま受け止め、その気持ちを持つ自分を許してあげてください。
うつ病からの仕事復帰を支援してくれる制度は、
→「うつ病からの仕事復帰は? 復職支援プログラムと再就職支援」
うつ病で休職・退職した時の収入の補償制度については、
→「うつ病で休職期間中・退職したときに収入を得るには?」
うつ病で休職する手続き、仕事復帰のためにやっておきたいことは、
→「うつ病での休職手続き~治療~スムーズな職場復帰のための手順」
きちんと治療して、あなたの次の仕事がもっと楽しいものになりますように。