何もやる気が起きない、何もしたくない…

辛かったり、体に力が入らない感じ、

そんな時は、心の不調による病気かもしれません。

放って置くとますます元気が出なくなって深刻な状態になってしまうこともあります。

症状のチェックポイントを紹介します。


何もやる気が起きない何もしたくない…病気の兆候?

「何もやる気がおきない、何もしたくない」ということは誰にでもありますよね。

しかし「ただ気分が乗らない」「疲れている」だけとは思えず、「あきらかに何かおかしい」「なにか変だ」と感じたら、それはなんからの精神の病気の兆候かもしれません。

しかし素人判断は大変危険です。必ず病院を受診しましょう。早期発見、治療できれば重症にならずに済みます。

その前に、あくまで目安ですが、病気ごとの兆候や症状のチェックポイントをあげていきます。参考にしてください。

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1.うつ病

うつ病とは強い抑うつ気分が「2週間以上」続く状態です。

うつになって何もしたくない=「怠け」のイメージを持つかもしれませんが、「まじめで几帳面な性格(メランコリー型の性格)」な人がなりやすいと言われています。

チェック項目
□ 「何もやるきが起きない」「何もしたくない」「虚無感」「強い憂鬱感」「むなしさ」などを強く感じ、2週間連続でほとんど毎日1日中続いている
□ ほとんど毎日1日中何をしても楽しくない、喜びを感じない
□ 食欲がない、または強くなりすぎる
□ 眠れない
□ 周りの人も気づくほど、イライラしたり動作が鈍くなっている
□ 自分はどうしようもない人間、悪い人間だと思う


2.気分変調症

憂鬱な気分が2年以上続きます。うつ病のように強い抑うつ気分があるわけではありませんが長く続いてしまうことによる苦悩が大きい病気です。

繊細でちょっとした失敗でも「自分はダメだ」とくよくよ悩んでしまう性格の人に起こりやすい傾向があります。

チェック項目
□ 「何もやるきが起きない」「何もしたくない」「虚無感」「強い憂鬱感」「むなしさ」などを強く感じ、2年以上ない日よりもある日の方が多く、ほとんど1日中続いている。
□ 食欲がない。または強くなりすぎる。
□ 眠れない。または眠り過ぎる
□ 気力が低下したり、疲れやすい
□ 自分を大切に思えない
□ 集中力や決断力が低下する
□ 絶望感がある


3.月経前不快気分障害

月経の前にイライラしたり、憂鬱になったり、頭痛や腹痛が起こるなど様々な心身の不調を感じる女性は少なくありません。

月経に伴う症状が毎回現れ、それが社会生活に大きな支障を来すほどの場合には「月経前不快気分障害」の疑いがあります。

チェック項目
□ 月経の一週間前に始まり月経後一週間で治まる
□ 突然悲しくなったり、涙もろくなる
□ 強いイライラ感や怒りが起こったり、他人と衝突しやすくなる
□ 不安や緊張が強くなる
□ 疲れやすくなったり気力や活力がなくなる
□ 過食や特定の食べ物ばかり食べたくなる
□ 眠りすぎたり眠れなくなる
□ 胸が傷んだり、関節や筋肉が腫れる


4.双極性障害

「強いうつ状態」と、それとは反対の「躁(そう)状態」が交互に現れます。
躁状態の時は気分が高揚して口数が増え何でもできるような気分になります。

チェック項目
・躁状態
□ 著しく気分が高まり、活動的になる
□頭がさえて、何にでもできる気がする
□睡眠時間が短くても平気
□口数が増え、ずっとしゃべり続けている
□お金遣いが荒くなる

・鬱状態
□(1.うつ病のチェック項目と同様)

5.非定型うつ病

「非定形」とは典型的なうつ病とは異なるタイプという意味です。

楽しいことがあると気分が晴れたり、不眠や食欲の低下ではなく過食や過眠傾向が見られます。一見「なまけもの」と思われてしまいがちです。

チェック項目
□「何もやるきが起きない」「何もしたくない」「虚無感」「強い憂鬱感」「むなしさ」などを強く感じるが、何か良いことがあると気分が晴れる
□1日10時間以上眠る日が週に3日以上ある
□身体が鉛をつけたように重くなることがある
□食欲が増加し、体重が4キロ以上増える
□人から拒絶されたり、批判されたりすることを過度に恐れる
□自分を攻めることよりも、人を攻めがち
□朝や昼は気分が良く、夕方になると気分が落ち込む傾向がある


6.統合失調症

うつ病のように意欲の低下や生き生きとした感情が見られなくなる症状や、幻覚、幻聴や妄想などが現れる症状もあります。

チェック項目
□うつ病のチェック項目のような意欲の低下などがみられる
□強いイライラや興奮が見られる
□幻覚や妄想などが見られる
□つながりのない会話などが見られる

7.その他の病気

7-1.仮面うつ病

疲労感、不眠、頭痛、めまい、耳鳴りなどの身体的な症状が目立ち、  
心の症状が隠れてしまうこともあります。

内科を受診されても異常がない場合、精神的なものと予想されます。

7-2.更年期うつ病

更年期障害による精神的な不調だろうとおもっていたら、うつ病を発症してたということもあります。

7-3.若年性認知症

おもに中年期以降、元気が無くなってくると若年性認知症だったということも考えられます。

物忘れが多くなったり、予定を入れてもその予定自体を思い出せなかったりする症状がでます。自分ではなかなか自覚できないので家族や周りの人のサポートが大切です。


医師の診断を受けましょう

「やる気が起きない」「何もしたくない」のは自分の怠け癖のせいだと思っていたら実は病気だったということも考えられます。

布団から出る

精神の病といっても数多くの症状があり、ここに載っていない様々な病気もありますので、素人判断は大変危険です。

「なにかおかしい」と思ったら是非受診されることをお勧めします。

厚生労働省の患者調査によれば、この20年間で「うつ病」の患者の数は10倍に増え、平成20年度には104万人にものぼりました。

ただしこれは病院を受診し、診断を受けた人の数です。受診していない人も含めると実際はさらに増えると考えられます。

精神的な病は、誰しもが今はなる可能性のある病気です。「恥ずかしい」とか、「人に知られたくない」などのお気持ちもあるかと思いますが、是非そこは一歩を踏み出してほしいと思います。

病院には行きたくない…

とはいえ受診できずに悩む方も多いのが現状です。

受診できずに悩む方は実際に多く、過去にうつ病などの精神的な病気を経験した人のうち、受診できた方は約30%程と言われています。

自分が病気であると気づかなかったり、病院に行くのをためらってしまい受診しないままに悩んでいる人も多く見られるようです。

そこで受診のハードル高く感じるという人は、
厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルサポ-ト」というサイトでは相談窓口の紹介もされています。心の問題の色々な情報も載っていますのでご活用ください。

一度相談すると、一人もんもんと悩んでいるよりすっきりするでしょうし、受診への踏ん切りにもなると思います。

もし、まわりの誰かが「何もやる気が出ない…」状態なら

周りの方が気づくということも症状の悪化や自殺を防ぐことの予防にもなります。

日本の自殺者は年間約3万人。そのうち直接うつ病が関係しているのが2割程度とされています。

統計にあらわれてくるだけでも毎日16人の方がうつが原因の自殺をしています。

心の調子を崩すと、自分ではなかなか動けないものです。

「こころの耳」では周囲の方のサポートというテーマでもさまざまな情報が載っています。ご家族がなんかおかしい、同僚や部下がなにかおかしいと気づいた場合も是非ご活用ください。

うつのチェックをより詳しくは、
鬱かも…うつで仕事を続けられる?診断・治療は?鬱チェック

こころの病気についてはこちらも、
仕事でのメンタルヘルス不調。心の病気7種類の症状と治療

あなたに早く、やる気が戻りますように。