人間関係、仕事、お金、恋愛、子育て・・・・・人間の悩みは付きません。それと同時にストレスもかかります。
「問題に振り回されることなく、悩みやストレスを感じない方法があればなぁ」と思っていることでしょう。
もちろん人間ですから100%感じないことなど出来ません。
しかし、100%といかなくとも半分でも悩みやストレスを感じなくなれたら嬉しく思いませんか?
その方法が「認知行動療法」です。
認知行動療法はシロウトのいい加減なストレス解消法ではなく、臨床研究事例も豊富にあり、精神科では保険も適用される、国に認められた方法です。
ここでは「柔らか思考方」とも呼ばれる認知行動療法をご紹介いたします。
1.ストレスを感じない方法とは?
では、柔らか思考方(認知行動療法)ってどんなものなのでしょうか?
1-1 ポジティブ思考ではない。無理にポジティブになる必要はなく勝手にポジティブになっていく方法
ポジティブ思考がもてはやされています。確かにポジティブ思考が出来る人でしたらそれでよいでしょう。
しかし普段ネガティブな方が「ポジティブにならなければいけない」と自分を戒めることで返って苦しみ、結果ポジティブになれないことで劣等感を感じることがあります
認知行動療法はポジティブ思考ではなく「適応的認知」と呼ばれ、そのものに即した考え方を身につけるという療法です。
極端な例ですが「一度女性に振られた経験=自分は女性にもてない不幸な人間だ」というような極端な考え方や認知をしている人がいるとします。
果たしてそれは事実でしょうか?ちょっと極端ですよね。自分の考え方の癖(認知)を客観的に検証し、客観的な思考法を身につけましょうというのが認知行動療法です。
適応的認知が出来るとものごとをニュートラルにとらえることが出来ますから、自然とポジティブになって行きます。
1-2 根拠(エビデンス)がしっかりしている心理療法
エビデンスとは、ある治療法がある病気に対して、効果があることを示す証拠や臨床結果の情報のことを指します。
認知行動療法は多くの精神疾患で臨床例が上げられています。
1-3 保険が効く数少ない心理療法
心理療法のの多くは保険が認められていませんが、精神科の医師が行う認知行動療法は保険が効きます。
安心で効果のある方法であると認められている証拠です。
1-4 うつ病など多くの精神疾患に使える心理療法
認知行動療法はうつ病をはじめ、パニック障害、不安障害、パーソナリティ障害、統合失調症・・・etc多くの病気に有効とされています。
1-5 病気を抱えてない人でも力を多いに発揮する
目的は「適応的認知」を手に入れることですので、病気がない人なでも人生で多いに力になってくれます。
適応的認知は仕事、恋愛、お金、人間関係など多くの場面で生かすことが出来ます。
1-6 コツさえつかめば簡単。自分で出来る。
認知行動療法のすごいところは自分で出来るということです。書籍等を活用すれば一人でも出来ます。
一人でも適応的認知をある程度つかめることが出来るので、悩みやストレスを減らすことが出来ます。
一人でやるのは不安という方は、インターネットなどで専門家のアドバイスを受けながら行う方法もあります。
コツさえつかめば自分の思考の癖に気づきやすくなり、あとは自分で簡単に出来るようになります。
なお、病気の診断を受けている方、病気を抱えている方は医師の判断を受けながら行いましょう。
1-7 コツコツ取り組む形ですが知っているのと知らないのでは人生で雲泥の差が付く
認知行動療法はコツコツ行うのに適した方法です。
急にすごい変化が起こるというわけではないですが、知って取り組んだのとそうでないのとでは雲泥の差が付きます。
ドミノのようなものです。初めはドミノの1枚を倒しただけですが、カタカタと次が倒れ、最後は多くのドミノに影響して行くような感じです。
1-8 恋愛、人間関係、お金、仕事・・・・多くのテーマに応用可能なワザ
不幸にも病気を背負ってしまい、その病気を機にたまたま認知行動療法に出会ったという方は少なくありません。
しかし一つの問題で出会った認知行動療法ですが他のテーマでも応用が可能です。
例えば上司との人間関係で悩み認知行動療法に出会った方が、恋愛にも活かせたということもあります
2.ストレスが減ったり、気分が変わるのはなぜ?
2-1 出来事は変わらないがあなたの受け止め方(認知、考え方)が変わるから
人は他人と同じモノを見ていても別の見え方をしています。例えるなら色眼鏡を着けて物事を見ているということです。
青色の眼鏡なら当然すべてのものが青く見えますよね。
例えば、映画の感想や人の好みなどが人それぞれであることは、他人と違う色眼鏡(考え方や認知)を掛けてものごとを見ているからです。
そして色眼鏡を別の色に変えれば、別の色の世界に見えますよね。
同じように適応的認知が出来るだけで、物事の受け止め方が変わります。色眼鏡のことを心理学用語では「フレーム」といいます。
2-2 受け止め方(認知)を変えれば気分や行動が変わるから
例えば同じように失敗し上司に同じように怒られたAさんとBさんがいるとします。
同じように失敗し怒られたのにAさんは「また次かんばればよいか」と思い、Bさんは「この仕事向いてない」と思ったとします。
この二人のその後の気分は違いますし、その次の行動も違いますよね。受け止め方が変わるだけで、気分や行動が変わってきます。

3.自分でも簡単に出来る認知行動療法のやり方
3-1 自動思考を観察する
ちょっとした出来事が起こると私たちは頭の中で色々思考しますよね。ある意味自動的に何かを考えています。これを自動思考と呼びます。
さきほどの上司に起こられたAさんとBさんを例に取ると
・上司に起こられた→Aさんの認知(フレーム)→また次がんばれば良いか(自動思考)
・上司に起こられた→Bさんの認知(フレーム)→自分はこの仕事に向いてない(自動思考)
というように同じ出来事なのにお互いの認知(フレーム)が違うから、自動思考も違いますよね。
自分がどんな認知をしているか探るにはまずはこの自動思考を観察するところから始めます。
3-2 自動思考を客観的に考えてみる
Bさんは「上司に怒られてこの仕事向いてない」という思考になりましたが、このときの思考は客観的に考えてみてどうでしょうか?
ちょっと極端ですよね。もし同じ失敗を10回くらい繰り返しているならともかく1回目だったらちょっと飛躍しすぎています。
というように出来事が起こったにわき上がる自動思考を観察し客観的かどうか検証することから始めます。
自分の自動思考を観察してみるとわかるのですが結構客観性を欠いた極端な思考をしていることが多々あることに気づきます。
3-3 たくさんの場面の自動思考を観察できるようになったら認知(フレーム)を見つける
たくさんの場面で起きる自動思考の検証をしていくと自分がどんな認知(フレーム)をしているかが気づくことが出来ます。
例えば、「失敗をしてはいけない」などのフレームでモノを見ているということが分かってきたとします。
この場合、仕事でも恋愛でも人間関係でも「失敗をしてはいけない」というフレームでモノを見ている傾向があるので、一度女性に振られただけでもダメージが大きいという可能性が考えられます。
しかし、このフレームに気づいたら、次に同じような出来事が起きた時、「いつもの失敗をしてはいけないというフレームだ。確かに失敗しないに超したことはないが・・まぁ2度3度の失敗はしょうがないね」という認知をすることが出来ます。
すると気分も悪くないし、行動も変わってきますよね。悩みやストレスも減ってきます。
4.もっと具体的に取り組みたいかたは
ここまでの話でもしもっと具体的に取り組みたいと思ったことは是非下記で取り組んでみてください。
4-1 自分で本を読んで行う
『こころが晴れるノート』 大野裕 創元社
認知行動療法のやり方をまず知るためにおすすめの本です。
4-2 インターネットで行う
メルマガや動画、有料サービスなどインターネットでも学べます。
上記の著者の大野裕さんのサイト https://www.cbtjp.net
こころねっと・パーソナル https://cbt.kokoronet.ne.jp
4-3 うつ病などの病気の治療では精神科で行う
もし精神的な疾患や病気なら精神科の医師による認知行動療法が受けられます。
ストレスや精神的な状態がかなり辛い場合は、病院での受診をおすすめします。
松井選手が母校に送った有名な言葉
元プロ野球選手の松井秀喜選手が母校に送ったと言われる有名な言葉をご存知ですか?これはヒンズー教の教えという言葉です。
心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。
心というのは認知や考え方ととらえてよいです。まさに「柔らか思考法」を表している言葉ですね。
よくよく考えてみると私たちは出来事で苦しむことよりも「出来事に対する自分の認知」で苦しんでいることが多いのではないでしょうか?
女性に振られたという出来事が苦しいのはもちろんですが、その後の自分で自分に行う思考や評価が自分を苦しめたりしています。
自分の考え方の癖に気づき、少し修正するだけで悩みが減りますし、当然ストレスも減ってきます。
私たちは数多くの体験から考え方を身につけますが、その考え方が果たして適切なのかどうなっているのか検証したことはないですよね?
これはスポーツ選手が競技の結果ばかりにとらわれ、自分の身体がどうなっているのか、また身体をどうメンテナンスしたら結果に繋がるのか検証してないようなものです。
間違いなく人間は「認知や考え方」を通して仕事や恋愛、人間関係やお金を見ています。
そして悩んだり嬉しかったり苦しかったりを感じます。
逆に言うと、悩みや喜びを生み出しているのは自分の認知や考え方だったりします。
自分の認知や考え方を検証し、適応的認知ができるようになると心も軽くなります。ぜひこの方法を実践してみてください。
精神的な疲れについては、
→「仕事で精神的に疲れた時…心の疲れを取る5つのストレス解消法」
あなたのストレスが軽くなりますように。