職場、仕事でのストレスを感じた時、なんらかの症状が体に出ますか?

それとも感情や気持ちなどの心に出ますか?

身体や心のサインに気づいて、早めの対策が打てればいいのですが、自分ではそれがストレスによる症状だとは思わないで悪化させてしまうケースがとても多いです。

自分では気付かなかったけれど、カラダとココロが悲鳴をあげていた…。

そうなる前にストレスのことをよく知っておきましょう。

ここでは、仕事や職場でのストレスの要因と、それらによる身体への影響についてまとめました。

身体に起こった症状が、「実は仕事のストレスが原因だった」ということがあるかもしれません。

原因と症状の種類をチェックしてみてください。


1. 職場でのストレスを受けた時に現れる症状

仕事などで極度に緊張したり強いプレッシャーを受けた時、よく「胃が痛くなってきた…」とよくいいますよね。

これらは、典型的なストレスが原因で起きる症状の一例

職場のストレス

感染症(外部からのウイルスの侵入による疾患)以外の疾患は、全て脳内が発生源とも考えられます。

ストレスが身体と心に現れる症状の代表的なものとしては、次のようなものがあります。

  • 腹痛・下痢
  • 頭痛
  • アレルギー症状
  • 原因不明のかゆみ
  • ニキビ
  • 歯ぎしり
  • 寝付けない
  • 悪夢
  • 過食

…など。

実は悪夢を見るといったものも、ストレスが原因

心当たりのある人は多いのではないでしょうか?

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2. 放っておくとストレス関連疾患に

ストレスによって脳内のホルモン調節が上手く働かなくなる事で、慢性的な症状やさらに深刻な病気に進行します。

    循環器系 : 高血圧・狭心症・心筋梗塞
    内分泌系 : 糖尿病
    消化器系 : 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群
    呼吸器系 : 過換気症候群・気管支喘息
    精神疾患 : うつ病・適応障害・不眠症・過食症

…など。

ここまでくると、本格的に医師の診断を受けての治療が必要になります。

早めに気づいて適切な治療を受けるようにしたいです。


3. 職業性ストレスモデルで因果関係を明確化する

職場(労働)において、何がストレスを強め、メンタルヘルスを悪化させているのかをモデル化したものを「職業性ストレスモデル」と呼んでいます。

上記のような病気になる原因の因果関係を図式化したものです。

職業性ストレスモデル
出典:職場のメンタルヘルス|NIOSHの職業性ストレスモデル

(1)職場のストレス要因

  • 職場環境
  • 役割上の葛藤、不明確さ
  • 人間関係、対人責任性
  • 仕事のコントロール
  • 仕事の量的負荷と変動性
  • 仕事の将来性不安
  • 仕事の要求に対する認識
  • 不十分な技術活用
  • 交替制勤務

(2)個人的要因

  • 年齢.性別
  • 結婚生活の状況
  • 雇用保証期間
  • 職種(肩書)
  • 性格
  • 自己評価(自尊心)

(3)仕事以外の要因

  • 家族、家庭からの欲求

(4)緩衝要因

  • 社会的支援(上司、同僚、家族)

(5)急性ストレス反応

    心理的反応
  • 仕事への不満
  • 抑うつ
    生理的反応
  • 身体的訴え
    行動化
  • 事故
  • 薬物使用
  • 病気欠勤

(6)疾病

  • 仕事に基づく心身の障害
  • 医師の診断による問題(障害)

(7)過労死、自殺

さらに状況が悪化すると最悪の場合、死に至る病となってしまいます。

上記モデルでストレスの元をたどっていくと、どの部分(要因)に手を打てばストレスを軽減出来るかがわかります。

ご自身のことはもちろん、職場のメンタルヘルス対策を進めて行く上でも参考にしてください。


4. 職場でのメンタルヘルスに気を配る

1)メンタルヘルス不調の発症時期は、いつ頃が多い?

新入社員:一般的には「就職後6カ月以内」が最も多いです。
一般社員:昇進、配置転換、仕事内容の変化、仕事量の増加、仕事内容の変化などにより特に変化から3~6カ月の間に発症する人が多いです。

2)メンタルヘルス不調のサインとして、どの様な症状が見られる?

  • 悩みや心配が頭から離れなくなる
  • 寝つきが悪く、眠りが浅く、朝早く目が覚める
  • 仕事の能率や仕事への意欲・集中力の低下
  • 疲れやすく、倦怠感がある
  • 気分の落ち込み
  • 仕事をやめたいと思う

…など

上記のような症状が発症した場合は、躊躇せず出来るだけ早く専門医の受診を受けるようにしましょう。

3) 周囲の人が発見できる「ストレス」のサインは?

  • 以前に比べて表情が暗く、元気がない
  • 仕事の効率の低下、ミスの増加
  • 欠勤、遅刻、早退の増加
  • 体調不良の訴えの増加
  • ボーとして、表情が無表情になる

…など

上記のような症状が見られる職場のメンバーに対しては、面談をして専門治療の必要性を説明し、受診を勧めるようにして下さい。

そのままでは放置したり、一人で病院に行けないような場合には、病院への付き添いをしてあげる必要があるかもしれません。


5. 病気の原因…ストレスってそもそも何?

人間に限らず生き物にとって、負担や負荷になる自分以外からの刺激を「ストレッサー」と言います。

ストレッサーによって引き起こされる不安・怒り・不満などの心理的な反応と、疲れた・眠れないなどの身体的な反応を「ストレス反応」と呼びます。

心と体、この両方に起こることを合わせたものが一般的にいう「ストレス」です。

ストレス反応が強くなって症状が慢性化してしまうと、うつ病・高血圧・脳梗塞・心筋梗塞などの「ストレス関連疾患」になります。

そこまで状態が悪くなる前に、正しい知識を持ってストレスを処理していきましょう。

1)職場のストレスと病気の発生には、どの様な繋がりがある?

職場のストレッサーが大きくなり、自分一人で対応できなくなると「ストレス反応(症状)」が発生します。

また、その上に職場以外のストレス要因が重なって健康障害が発生します。

健康障害としては、うつ病や適応障害などのメンタルヘルスに関係した疾患、高血圧や脳卒中や心筋梗塞などの心臓血管障害などがあり、その最悪のケースが過労死や過労自殺に至ります。

2)精神的なダメージとしてどの様な障害が起きる?

脳中にあるノルアドレナリン・ドーパミン・セレトニンと呼ばれる神経伝達物質の産生・伝達が上手くいかなくなります。

それらの神経伝達物質は、脳内で起こる不安感・躁うつ気分・意欲・活動性などと密接に関係しているため、結果としてうつ病や不安障害などのメンタルヘルス不調の原因になります。

神経伝達物質の活動を良好に保つ為にも、ストレスを出来るだけ溜めないで発散する事に心掛けることが大切なのです。

3)ストレス関連疾患は、脳内でどの様に発生する?

脳内の奥深くにある視床下部(間脳の底部)の中枢部は、人間の生命を守り、通常の身体活動を維持するのに必要な生命維持機構であり、とても大事な所です。

そこに急性の強いストレスや持続的な慢性ストレス状態が続くと内分泌系・自律神経系の機能が亢進(たかぶる)した状態になります。

すると免疫系の機能が抑制され、身体のバランスが保てなくなり、なんらかの健康障害が発生します。

この事を「ストレス関連疾患」になると言います。

6. ストレスで調子が悪いな…と思ったら

とにかく気づいたら、休養が一番です。

そして早めに医師の診察を受けましょう。

あなたでも、あなた以外の職場のメンバーでも。

早く手を打つことが大切です。
 

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ストレスをうまく処理して、あなたの仕事が楽しいものになりますように。