定年退職は、サラリーマンの卒業式です。

定年後に同じ会社で再雇用されたり他の仕事について働き続けたりする人もいますが、60歳定年でサラリーマン人生に1つの区切りがつくことに間違いはありません。

このため定年退職者の周囲の人たちが、これまでの勤務に対する慰労や第2の人生に対する応援の気持ちを込めてプレゼントを行うという習慣が根付いています。

最近は伝統的な大企業でも中途退社・採用が珍しくなく1社で勤め上げるという気風は薄れていますが、それでも定
年定職者に対し畏敬の念をもって送り出すという風土は根強く存在します。

ここでは定年退職者に対する、プレゼントを贈る心構えや具体的な品物の例についてご紹介します。


プレゼントの趣旨

プレゼントする場合には、その趣旨を考えることが大切です。

高価なものでも、趣旨に合わなければ受け取る人が困惑します。

贈る側と受け取る人の関係を整理した上で、適切な品を選ぶことが大切です。

1.永年勤続に対する慰労

60歳で定年退職を迎える人は、40年前後働いていることになります。

早婚の人であれば家庭を持ってから孫の顔を拝むまでの期間、勤め上げて迎えるのが定年です。

それだけ長い間、会社に貢献したことに対する慰労の気持ちを表すことが、プレゼントのもっとも重要な趣旨です。

2.定年後の人生応援

サラリーマンは、定年と同時に人生を終えるわけではありません。

ほとんどの人には、定年後の人生が20年以上あります。

定年後の第2の人生を謳歌できるように送り出してあげること(家族や仲間は受け入れること)も、周囲の人の重要な役割です。

趣味や新たな仕事に精を出す気になるような品を贈ることを心がけましょう。

3.儀礼

会社関係者にとって、定年退職者へのプレゼントには儀礼的な意味合いが含まれています。

とくに伝統的な大企業の場合は定められた手順があるため、それを粛々とこなすことが求められます。

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部下・同僚から贈るもの

サラリーマンにとって、定年退職者に対する慰労行事は卒業式のようなものです。

定年退職は学校と比べ在籍期間はかなり長くなりますが、あらかじめ定められた終了期限に到達した人を送り出すための儀式という意味では共通しています。

そのため、会社内で部下や同僚からお祝いする場合は、ある程度型通りのことを淡々と行うことが重要です。

とくに親しい間柄だった場合は、個人的に会食すればよいでしょう。

1.食事(送別会)

    <目安となる金額>: 1人当たり3千円(昼)、1万円以内(夜)

もっとも一般的なプレゼントは、送別会の開催です。

ただし、最近では職場の歓送迎会を簡素化する動きが広まっています。

少なくとも、参加を強制するような開催の仕方は控えるべきでしょう。

既婚女性も含めより多くの人が気軽に参加できるという趣旨(建前)で簡素な昼食会を開く手もあります。

昼食であれば参加費を抑えられる上に1時間以内で終わるため、義理で出席する人には好まれます。

2.花束

定年退職 プレゼント 花束
    <目安となる金額>: 3千~5千円

花束贈呈は、定番の贈り物です。

自宅に持ち帰りやすいサイズを選んで贈りましょう。

単身赴任先で退職する人などには迷惑がられる可能性があるため、当人の生活環境や好みに対する配慮も必要です。

花束贈呈には、帰宅を促す意味もあります。

あいさつ回りなど、すべての行事や手続きが終了した後に渡すことが求められます。

3.記念品

    <目安となる金額>: 1万~3万円

最近は減ってきましたが、伝統的な大企業では会社の経費で記念品を贈呈しています。

職場の有志で記念品を渡すことはあまりないと思われますが、そうした機会があれば安くも高くもない無難な品物を選ぶことが重要です。

置時計、花瓶、食器など形として残る上にもらって困ることのない品が適しています。

割り切って商品券や食事券を贈ることも考えられます。


先輩から贈るもの

一足先に定年退職した先輩が、新たに退職仲間に加わる後輩へ祝いを贈ることも考えられます。

その場合、先輩である自分と後輩の定年退職後の関係を考慮した品を選ぶことが大切です。

お互い再就職して働き続けるのであれば、仕事上の関係を考慮する必要があります。

一方で完全にリタイアした者同士の場合は、純粋に友人として慰労すればよいでしょう。

1.食事

    <目安となる金額>: 1人当たり3千円(昼)、1万5千円以内(夜)

お互いに子会社や関連会社の役員に転身するなど仕事上の関係が続く場合は、やや儀礼的な会食にすることが無難です。

一方でどちらかが完全リタイアの身であれば利害関係を気にする必要はないため、気楽に会食して構わないでしょう。

2.旅行

    <目安となる金額>: 1人当たり3万円

リタイア組同士が、気楽に旅行に出かけることも一案です。

ただし経済状況は人それぞれなので、かなり親しい間柄でない限り海外旅行など費用のかさむ企画は望ましくありません。

交通費もかからない近場の温泉に1泊するぐらいが無難です。

3.その他お役立ち品

    <目安となる金額>: 3千~1万円

家事や健康維持のために役立つ品物を、家族から贈れば角が立つこともあります。

一方、そうした品でも先にリタイアした先輩が経験に基づき贈れば、好意的に受け止められるはずです。

ただし、自慢話にならないような配慮が必要です。


友人から贈るもの

年の近い友人から定年退職のプレゼントを贈る際には、注意が必要です。

とくに収入、財産、社会的地位、家庭環境などが自分より見劣りする友人に対しては、さりげない対応を心がけるべきです。

1.食事

    <目安となる金額>: 1人当たり3千円(昼)、1万5千円以内(夜)

友人との距離感に応じ、昼食と夜の会食を使い分けましょう。

役員にまで出世した人が、同期の定年退職者を送り出すような場合は昼食が無難です。

一方で本当に親しい人であれば、夜にゆっくり会食すると喜ばれるはずです。

2.旅行

定年退職のプレゼンと旅行
    <目安となる金額>: 1人当たり3万円

先輩が誘う場合と同様にお互いの経済状況の違いを踏まえ、交通費もかからない近場の温泉に1泊するぐらいの企画を提案することが無難です。

3.趣味関連

    <目安となる金額>: 1万円

相手が親しい人物で共通の趣味があれば、それに関連する品物を贈ると喜ばれるはずです。

一緒に趣味を楽しむこともできるため、一番よい贈り物かもしれません。


妻・夫から贈るもの

定年退職者にとって、妻や夫から慰労されることがもっとも嬉しいはずです。

もっとも、何を贈っても喜ばれる訳ではありません。

相手の好みや考え方をおもんばかって品物を選ばなければ、かえってヘソを曲げられる恐れがあります。

1.衣料品・宝飾品

    <目安となる金額>: 3万円以上

家族から贈るものなので、少し上質な品物を選びましょう。

ただし、100万円超の腕時計や指輪などの高額品は避けるべきです。

定年後は、現役時代よりも収入が減ります。

家計の引き締めが必要なことを理解していないと疑われかねない高額品を贈れば、夫婦ケンカの原因になりかねません。

2.趣味関連

    <目安となる金額>: 3万円以上

夫婦共通の趣味があったり相手方の趣味に対して深い理解があったりする人の場合、趣味関連の贈り物がもっとも好まれます。

欲しいけれど買いにくい少し高額な道具などが喜ばれます。

3.食事

    <目安となる金額>: 1人当たり2、3万円

夫婦で食事をするならば、1人2、3万円はかけたいところです。

5つ星ホテルの高級レストランでコース料理を食べてお酒を飲めば、これくらいの金額になります。

4.旅行

    <目安となる金額>: 1人当たり5万円以上

夫婦旅行ならば、最低でも少し高級な温泉宿に2泊するくらいはお金をかけたいものです。

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経済的に余裕があれば、海外旅行に出かけてもよいでしょう。

ただし、浪費癖がつかないように自戒することが欠かせません。

5.健康関連

    <目安となる金額>: 3万円以上

健康は何物にも代えがたいものです。

さまざまな運動グッズや血圧計などをプレゼントすることも一案です。

ただし、押しつけがましかったり説教臭かったりすると嫌がれるので注意が必要です。

6.生活関連

    <目安となる金額>: 3万円以上

家事に役立ったり便利だったりする品物を夫婦間で贈るときには、注意を要します。

一人暮らしであればありがたいモノでも妻や夫から贈られれば、「家事をしろ」と命令されているように受け取られる可能性があります。

子ども・孫から贈るもの

定年退職のプレゼント

子どもや孫から定年退職のお祝い品を贈られれば誰でも喜ぶでしょう。

しかし贈り方を間違えると、親子関係が悪くなる恐れがあります。

とくに孫を使って「エビでタイを釣る」とみられる贈り物は厳禁です。

1.食事

    <目安となる金額>: 1人当たり1万~1万5千円

定年退職者の子どもは、年長者でも30代後半です。

それほど、お金を持っている訳ではありません。

自分の子どもの養育費や教育費がかかります。

有名高級レストランのディナーではなく、少し凝った(親が知らないような)リーズナブルな価格の店に招待しましょう。

2.旅行

    <目安となる金額>: 1人当たり3万円

とくに孫がいる定年退職者には、家族旅行のプレゼントは喜ばれます。

もっとも子世代には金銭的、時間的余裕がないため近場の温泉の1泊旅行程度で十分ではないでしょうか。

3.健康関連

    <目安となる金額>: 1万~3万円

子どもや孫に健康の心配をされて嫌がる人はあまりいません。

とくに、孫から健康を気遣う言葉を添えられてプレゼントされれば大抵の人は喜びます。

4.趣味関連

    <目安となる金額>: 1万~3万円

趣味関連のプレゼントは、とくに子どもや孫と共通する趣味を持つ人には喜ばれます。

例えば登山が好きな人に孫から、ストックやレインウェアーなどを手渡せば確実に感謝されるでしょう。

5.金銭

    <目安となる金額>: 5万~10万円

子どもの場合は、思い切ってまとまった現金をプレゼントする手もあります。

夫婦旅行の追加資金などに使ってもらうように手渡せば、気持ちは十分に伝わるはずです。


定年退職のプレゼント選びは関係性を大切に

定年退職 プレゼント選び

定年退職は、会社からみれば長年勤めた社員の卒業のようなものです。

一方で退職者個人にとっては、その後に人生の次のステップへ踏み出すための門出となります。

定年退職のプレゼントを贈る際には、自分と当人の関係を踏まえて考えることが重要です。

    「卒業式を祝うのか」
    「新たな門出を祝うのか」

上記の2つでいずれかのプレゼントが適しているかを考えて、相手を想ってプレゼントを選ぶと良いでしょう。

儀礼的な対応が求められる立場であれば淡々とプレゼントを贈り、親しい間柄であれば気持ちを込めた品を贈りましょう。

プレゼントを受け取る当人も、そうした関係を理解しているはずです。