年収1000万円あれば「他人よりいい車に乗って当然」と思っている人も多いかもしれません。
でも、年収だけで車のグレードを決めることは危険です。
年収1000万円は、まだまだ富裕層とはいえません。少し日々の生活に多少の余裕を感じられる人が多い程度のクラスです。
そのため、多少はグレードを上げたり居住地や家族構成などを総合的に検討して、最適な車を選択することが大切です。
年収1000万円の人が乗るべき車
1. 都心部在住者
大半の都心部在住者にとって、「車は必需品ではない。」ということを認識すべきです。
一般的には、衣食住のほか教育、娯楽、交際などに関する費用の方が優先されるはずです。
そうした中で、車を持つ意義をよく考えて車種を選択することが重要です。
(1)ファミリー世帯
ファミリー世帯が車を必要とする主な理由は、買い物、送迎、レジャーでしょう。
都心部に居住していれば普段の買い物に車がなければ困る人は限られますので、ちょっとした送迎やレジャーに適した車を選ぶと良いのではないでしょうか。
- アルファード
- オデッセイ
- エルグランド
- ヴォクシー
など、ミニバンと呼ばれる車種が候補となります。
実用性よりママ友などに対する見栄を重視するならば、ベンツ、BMW、レクサスなどの高級セダンを選ぶ手もあります。
(2)DINKS世帯
DINKSはファミリー世帯以上に車の必要性が低いはずなので、レジャー重視の車種選定が適しています。
日産:エクストレイル
- ランドクルーザー
- パジェロ
- フォレスター
- X-TRAIL
などのほか、高級感を重視しないならカローラフィールダーでも十分です。
見栄を重視するなら、ポルシェボクスターなど2シートの車がオススメです。
(3)単身者
単身者はもっとも車を必要としない世帯なので、「見栄」を重視した車選びをオススメします。
マツダ:ロードスター
- ロードスター
- 国産スポーツカー(再販売が予定されているスープラなど)
- フィアット
- ローバー
- プジョー
など、オシャレなイメージの車が良いでしょう。
収入レベルと極端に解離したランボルギーニ、フェラーリなどの高級スポーツカーに手を出すのは、やめておいた方が無難でしょう。
ハイブリッド車のプリウスや電気自動車のテスラに乗って、環境意識の高さをアピールする手もあります。
ベンツやレクサスは落ち着きすぎるので(オヤジくさいので)避ける方が無難です。
2. 郊外在住者
東京都などの郊外在住者の場合は自宅が駅チカで通勤・通学だけでなく、買い物や外食などの日常生活に車を利用する機会が多いでしょう。
実用性第一で車を選ぶことが大切です。
(1)ファミリー世帯
ファミリー世帯の場合、家族連れで幹線道路沿いのショッピングセンター、ファミレス、飲食店などへ出かける際に車を使うことが多いと思われます。
子供が幼児の頃から家族利用が多いことを踏まえると、やはりワゴンタイプの車がオススメです。
ホンダ:ステップワゴン
- ヴェルファイア
- アルファード
- セレナ
- ステップワゴン
などが良いでしょう。
(2)DINKS世帯
DINKS世帯にとって車を利用する主な目的は、通勤を除けば週末の買い物とレジャーが一般的だと思われます。
子供を乗せる必要がないため、実用性とコスト重視で
スズキ:スイフト
- スイフト
- ヴィッツ
などの軽自動車や、小型車を選ぶかレジャーに使い勝手のよい
三菱:パジェロ
- ランドクルーザー
- パジェロ
- フォレスター
- X-TRAIL
あたりを選択することが考えられます。
(3)単身者
単身者もまず考えるべきことは日常の利用目的です。
通勤や買い物に使えれば十分という考え方であれば、軽自動車で十分でしょう。
ダイハツ:ムーブ
それに加えレジャーも楽しみたいのであれば、4WDやSUVか2シートのスポーツカーが無難です。
郊外の場合、オシャレな外車はオススメできません。
ショッピングセンターなどの大規模駐車場でイタズラされたり深夜にからまれたりするリスクがあるからです。
高級車であればベンツやレクサスなど地方のお金持ちが好きそうな車種が無難です。
3. 地方在住者
地方在住者にとって車は生活必需品です。
県庁所在地でも大半のサラリーマンは、車で通勤します。
したがって車を選ぶ際には、通勤、日常生活、レジャーの順に使い勝手を考えることが重要です。
また、大人は1人1台が当たり前なので、家族全員で1台の車に乗るシチュエーションを想定することも重要です。
そうしたケースが滅多にないのであれば、みんなが軽自動車に乗っても良いのです。
地方在住者の家計戦略では、車の購入・維持費のコントロールが非常に重要な要素となります。
家族全体で効果的、効率的な車の保有・利用を考えましょう。
(1)ファミリー世帯
まず通勤、子供・高齢者の送迎、買い物での利用を想定します。
それに加え、家族でのレジャーを考えます。
例えば夫は通勤とレジャーを想定してフォレスターなどのSUVやワゴンを購入して、妻は近距離での送迎や買い物に便利な軽自動車のN-BOX、ウェイクなどに乗ることが考えられます。
また、家族全体での乗り換え計画を練ることも重要です。
一般的に子供は、18歳以上になれば家を出るか自分用の車を持ちます。
一方、高齢者は車の運転の引き際を見極める必要があります。
家族全体で車利用の需要と供給(運転者)のバランスみて、誰がどの車を運転するかを考えることが大切です。
(2)DINKS世帯
DINKSも1人1台が原則となるため、通勤や日常生活での利便性を考えて双方にとって使い勝手のよい車を選びましょう。
重要なポイントは、同じクラスの車を選ばないことです。
夫婦そろって同じ職場で働く場合でも、通勤以外の利用目的を考えて車種を分けるべきです。
例えば夫は高額所得者のステイタスであるベンツに乗って自らの立場をアピールする一方、妻は実用性を重視してヴィッツを愛用するといった戦略が考えられます。
(3)単身者
単身者も通勤と日常生活の利便性を重視して車を選ぶべきですが、レジャー利用を考慮することも大切です。
地方は娯楽も少ないので、遠出することも視野に入れて運転しやすくタフなSUVやベンツ、BMWなどの外車がよいのではないでしょうか。
なお地方の場合、とくに若者は目立ち過ぎないことも重要です。
ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェなど県内で数台しか登録されていないような車に乗ることはオススメできません。
古いモデルで中古ならなんとか買えると思うかもしれませんが、維持費(修理費など)を考えるとスポーツ系の高級外車は思った以上にお金がかかります。
買ったはいいけど、お金がなくて乗りに行けない……なんてことにもなってしまいがちです。
周囲の人も認めるカーマニアでもない限り、オシャレな高級外車は避ける方が無難です。
年収1000万円で、どんな車に乗るべきか
年収1000万円の人にとって、車種をいわなければ、車の購入・維持自体はたやすいことです。
しかし、住宅・教育・娯楽などに多くのお金を使っている人には、車を持つ余裕がないかもしれません。
より適切な車を選ぶためには、自らの居住地域や家族構成に加え以下の点を考慮した戦略を練ることが大切です。
1.車の維持費
車は、買えば終わりではありません。
自宅の駐車場に置いておくだけでも損害保険料、自動車税がかかります。
当然、それらに加えガソリン代も要します。
このほか人によっては、ローンの元利金支払、駐車場代、洗車代、自動車道の利用料などがかかります。
これらを固定費と変動費に分類して、車を維持しながら費用を削減できる余地を把握しましょう。
2.車から得られる便益
車を維持することにより得られる便益を整理することも重要です。
通勤・通学、駅・学習塾・病院などへの送迎、買い物、外食、レジャーなど具体的な項目と利用頻度を整理して、車の必要性を明確にすることが重要です。
3.代替手段
徒歩、電車、バス、タクシー、レンタカー、カーシェアリングなど、自家用車の代替手段を確認しましょう。
その上で車を使わずに通勤、買い物、レジャーなどを行った場合の費用を試算して、現状の維持コストと比較してください。
代替手段コストの方が低ければ、車を持ち続ける意義は自己満足しかありません。
年収1000万円でも、車は利用目的を整理して選ぼう

- 「車があれば、いざという時に便利。」
「いい車を自慢したい。」
上記のように、車を所有していることに重大な価値を見出せない人は車を処分すべきです。
最近では「年収1000万円は勝ち組」という風潮が強いため、多少の贅沢は当然と思っている人もいるでしょうが現実は違います。
まず、仕事、居住地、年齢、家族構成、資産・負債額などから車の必要性と維持可能性を判断することが大切です。
その上で車の利用目的の優先順位を整理して、車種を決定しましょう。
あなたが快適で効率的なカーライフを送れますように。