生命保険はいらないと思ったあなた。それはある意味正解です。

あなたが「必見!生活節約術」的な雑誌を手に取ったら、コンサルの先生方にほぼ100%ヤリダマに上げられているのが生命保険。

「無駄払い!」「かけすぎ!」「もっと安いのアルヨ!」と手厳しくツッコマレています。

やっぱり生命保険って払いすぎなのかあ…よくわからんが、とにかく安い商品にかけ直すか。というか、そもそも生命保険なんて必要ないんじゃね?

…と思った人のために、具体的にどの保険、特約オプションを解約すると得、あるいは損なのか、検討するための保険の裏側を紹介します。


必要な保険と不要な保険を見極めて解約しよう!

生命保険は最も身近な「金融商品」です。いやむしろ人の生き死にで勝負するギャンブルと言ってもいいかもしれません。まぁ一応ここでは穏やかに金融商品としておきます。

金融商品ですから、加入する・しないの選択肢の結果、大儲けすることもあれば大損することもあるわけです。コンサルの先生はあなたの状況なんて知りません。だから、「やめたら生命保険の掛け金が下がるよ」とは言えますが、「儲かります」とは絶対に言えません。

むろん、ムダな保険はとっとと解約するに限ります。要は、FXや株と同じように、そのメリット・デメリットは自分で判断するしかないのです。

ここでは「保険会社の身勝手な広告」とか、「コンサル先生のセンセーショナルな物言い」とかでよく耳にする【誤解しやすい生保のポイント】 についてまとめました!

自分でメリット/デメリットを判断する際に必要な、生保の本当のポイントのご理解に役立ちましたら幸いです!

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生命保険をかけることはそもそも得なの?

よく見る生命保険を攻撃する意見の中で、「保険は損する」というものがあります。いわく、「死ぬことなんてほとんどないのに、死ななかったら掛け金が全て無駄になる。ためておいた方がよっぽどオトクだ」というもの。

これは少々極端すぎる解釈といえます。

生命保険は掛け金で、いざという時の補償を買っている。つまり、「いまの金」で「将来の万が一の金」を買っているのです。これは言ってみれば住宅ローンと同じ。商品は先に手に入れて、支払はお後でよいわけですから、消費者有利な商品ともいえます。

言い換えれば、1億円もの大きな補償であっても、加入してさえいれば補償が全額適用されます。たとえ1ヵ月しか掛け金を払っていなくても、亡くなったら1億円しっかりもらえるわけです。これが貯金だったらどうでしょう?その時点まで貯めた分だけしか使えませんよね。

ですから、例えば「70才になった時点で、死ななかったら掛け金が全て無駄になる」などと決めつけるのはナンセンスなのです。70才まで「いつでも何かあったら補償する」という権利を持っていたことを無視しているのですから。

確かにやみくもに高額の補償に加入したらムダでしょう。でも、保険の「最初っから全額補償」のお得な機能を忘れてはいけません。その上でどんな特約オプションをつけるべきか、見直しを検討しましょう。


入院の補償は必要最低限で

入院補償についての話もよく取りざたされます。「入院日数なんて短いんだから、実際には保険なんていらない。今は病院からすぐ追い出されちゃうんだから!」

ごもっとも!現在、日本の医療は高齢社会の入り口に差し掛かっており、病院も生き残りに必死。癌患者だっておちおち入院してられないくらい、効率よくベッドを「回転」させており、中々長期の入院には至らないでしょう。

でも、保険はもともと「万が一のことがあって大きな支出があった時の為の補償」です。今でも脳血性疾患・統合症のように入院日数が100日を大きく超える病気が多々ある以上、長期の入院への備えを検討すべきなのは確かです。

また、入院にかかるコストは実は入院当初に集中します。入院生活に必要なものを買いそろえたり、また手術を伴うような入院であれば「施術までは個室で治療に専念させてあげたい」 等の周囲の意向もあったりしますから、入院開始当時の方がコストがかさむのはやむを得ないのです。

ですから、これだけ入院日数が少なくなった現在でも、1入院あたりの所要コストは22.7万円とかなり高額。治療は待ったなしです。保険金額は少なくてもよいので、必要最低限の補償はあってもいいかもしれません。


高額療養費があるから保険は不要

また、1カ月当たりの医療費が高くなった場合でも、「高額療養費の給付が受けられるから、実質の個人支払上限は8万円前後だ。8万円の為に長期にわたって保険をかける必要があるのか?」ともよく言われます。

これもその通りです。そしてその高額療養費、受け取りは3か月後。受け取りまでは自分で建て替えが必要なので、そのくらいどうってことはないという人は不要です。

しかし入院は差額ベッド代など高額療養費の対象にならない「完全自腹」のコストも多く、高額療養費を差し引いた後の自己負担額は平均1日2.1万円もかかります。

入院保険は最も各保険会社が商品開発に力を入れており、値段も安く魅力ある商品が容易に手に入るジャンルです。イザという時、経済的なことで悩まずに治療に専念できる環境を用意するのは大切なことではあります。


先進医療なんてほとんど使われてない

これもよく生命保険がディスられる項目の一つ。

先進医療とは、厚労省が定めた混合治療の一種で、「先進的でまだ普及していないが優れた医療方法」に対し、「ベッド代とか一定の治療費は健保で持つけど、施術費とかは自腹で患者が払ってね」と認定する制度です。画期的な癌の治療方法とか、施術のリスクを最小限に抑えるヘルニアの治療など、使い勝手のよい治療方法がたくさん認定されているのですが、「コストを自分で負担する」ことへの抵抗感が大きく、普及はまだまだ進んでいないのが実情です。

この先進医療に対して保険金を支払える新しい特約が「先進医療特約」なのですが、コンサル先生たちからは「全く利用されていない制度なのに、わざわざ先進医療特約を付帯するのはナンセンス」と批判の対象にあがったりします。

この指摘も間違ってはいません。しかし…。

先進医療特約の保険料はだいたい月に90円前後です。

その程度の出費で、1か所300億円もするといわれている重粒子線治療装置等を使い、高度なガン治療を受ける事が出来るとしたら。めちゃくちゃオトクかも?

でも、保険に入ってなかったら、高額な治療をすることを躊躇してしまうかも…。

他の特約はいりません。先進医療特約だけはつけましょう。

保険も人生のステージに合わせて着替えていく

色々ご案内して参りましたが、やっぱりなんだかんだと生命保険は必要なんじゃないの?と思われたかもしれません。確かにイザという時には入っていると、得した!と思うのは事実。

ここで大事なのは、「保険を見直す」癖をつける事です。

私たちの生活は常に変化しています。入学、卒業、就職、結婚、住宅購入、転職、退職…。そういった大きな節目を迎えたら、その時に必要な保険内容もおのずと大きく変化を受けるはず。

独身の23歳の新入社員と、45歳子供2人のベテランサラリーマンとでは、必要な補償額は異なるはずですよね。そして子供が独立して年金生活に入ったら、またそれも必要な額は変わっています。

ですが、私たちは保険の面倒くさい話はキライです。保険も見直さなきゃな…とうすうす感じながら、結局変更するタイミングを失ってしまう。

歳相応のファッションがあるように、年齢を重ね、人生の節目を迎えるような大きなイベントが生じたら、必ず保険を見直すことをお勧めいたします!

不要な保険に入って当たるのを待つなんてのはまさに賭け事=ギャンブルと同じです。自分の人生を使ったギャンブル、そんなことをあなたはしたいですか?それよりも日々の生活に大切なお金を使いましょう!
(文中の数字はいずれも生命保険文化センター調べ)

やっぱり保険はいらないかも?と思ったら、見直しのタイミングは、
生命保険見直しのタイミングはいつがいい?

正しい理解でお得に保険と付き合えますように!