部屋探しって、どうするの?

特に社会人になって始めての一人暮らしを考えているあなた。

どんな場所、どんな部屋に住みたいですか?

希望に胸を膨らませていることかと思いますが、どうやって「いい部屋」を探せばいいか、ご存知でしょうか?

物件情報の提供やその探し方のアドバイスは、不動産業者やその関係者が行っているものが大半です。

相手はプロでこちらはシロウト。

何の知識もなく不動産業者に飛び込んでもいいカモです。

そんな部屋探しに慣れてないあなたが、上手にいい部屋を借りるための方法について、賃貸アパート・マンションに絞ってお伝えします。


初めての部屋探しで気をつけること

不動産(住居)は、睡眠時間も含め一生のうちの半分程度の時間を過ごす最も重要な空間です。また、賃貸、分譲に拘わらず、普通の人であれば最も多くのお金を使うものでもあります。

社会人になって一人暮らしをするとなると、通勤に便利で、仕事から帰ってきたらリラックスできる、そんな部屋に、できれば少しでも安い家賃で住みたいですよね。

しかし、不動産市場の最大の特徴は、「情報の非対称性」です。賃貸物件、分譲物件とも業者サイドが圧倒的に多くの情報を握っています。物件情報の提供やその探し方のアドバイスも不動産業者やその関係者が行っているものが大半です。

みなさんは、こうした重要な買い物(賃貸は住宅サービスを買う行為です)を、子供が大人相手に勝負を挑むような厳しい状況で行っています。

それを少しでもコチラの有利な条件で快適な部屋を借りるには、タイミング、立地、こちらの予算などのポイントが整理されている必要があるのです。以下、それを見ていきます。

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1.得する賃貸物件探しのタイミング

賃貸不動産の新規契約であれば、年度末の3月の需要が最も多く、大家さんが強気の賃料を設定します。次いで夏休み前で国家公務員の定期異動時期でもある7月、年末の12月が大きく動きます。

逆にこうした取引の活発なときから外れる5月のゴールデンウィーク明けなどは、賃料の引下げや1、2か月分の賃料を無料にするフリーレント・キャンペーンが多くなりがちです。

モノやサービスの価格は、基本的に需要と供給のバランスで決まります。例えば、野菜の値上がりは、野菜を食べる人(需要)は概ね一定であるにも拘わらず、天候不順などで出荷量(供給)が減っているためです。

転居時期に拘らなければ、人があまり引っ越さないときを選びましょう。簡単に言えば、みなさんが賃貸物件、住宅情報サイト、引越し業者のテレビCMをあまり見なくなったと感じたときが、新規契約の閑散期に当たります。

もちろんこの時期は、引っ越し業者の料金も安いです。


2.賃貸物件には2種類あるって知ってた?契約条件は要チェック!

賃貸契約には、普通借家定期借家の2種類があります。

普通借家

普通借家前者は原則として借主が住み続けたいと思う限り、転居する必要はありません(当然、家賃を滞納しないことが大前提ですが)。

長く住み続けられる利点と引換えに更新料を支払うことが一般的です。

東京圏の場合、2年間で契約が満了し、更新の際に1か月分の賃料を支払う契約が一般的です。つまり、1年間で12.5か月分の家賃を負担することになります。

更新料のほか、敷金(退去時の返還が原則です)、礼金、火災保険料、保証料など全ての費用を考慮しましょう。

最近ではゼロゼロ物件(敷金、礼金なし)も増えていますが、一方で高額物件の場合、保証会社の利用(保証料の負担)が必須となることもあり、物件ごとに多様な条件設定が行われています。

定期借家

こちらは契約時に2年とか3年といった賃貸期間を定めます。期間延長も可能ですが、新たな契約条件に合意できなければ、借主は退去しなければなりません。

後者の方が借主にとって不利になるため、他の条件がほぼ同等の物件を比較した場合、後者の賃料の方が安くなります。

2、3年で転居することが明らかな人や色々な場所に住み替えたい人には、定期借家物件がお勧めです。

なお、国土交通省では「賃貸住宅標準契約書」を公表しています。

この内容と比較し不利な条件があれば、契約書の変更を求めてください。

この標準契約書に沿った内容であれば、契約更新時等に賃料の減額交渉を行うことができます。

貸主に提示された新賃料に納得できなければ、旧賃料での支払いを継続する代わりに更新料を支払わない(契約に基づく双方の合意ではなく、法律が根拠となる自動更新を行いその手数料は支払わない)ことも可能です。

また、退去時には返還される敷金についても標準契約書に準じた内容であれば、よほど大きな修繕箇所がない限り80%程度は返還してもらえるのがほとんどです。


3.「大家さん」がどんな人かは割と大事

大家さんは、「利害関係が一致する人」か「常識的な話が通じる人」を選ぶことが重要です。両方兼ね備えていればベストですが、そういうケースは稀です。

利害関係が一致するということは、同じ物件に住んでいることを意味します。オーナーが最上階に居住しているマンションなどでは、建物の躯体、外観、配管、エレベーターなど全居住者に関係する部分は、確りとした造りで手入れも行き届いている場合が多いと考えられます。

逆にオーナーが別の場所に住んでいる物件は要注意です。近郊農家が経営するアパートなどは、相対的に管理や修繕の手を抜いている可能性が割りと高いです。

常識的な話が通じる人は、大手不動産会社系の管理会社です。こうした会社のサラリーマンは、法令の基礎知識やビジネス・マナーをある程度身に着けていますので、管理修繕に対する要望や賃料の引下げ等に関する合理的な話し合いを行える可能性が高いと考えられます。


4.賃貸物件の「立地」で注意すること

立地については、分譲物件を購入するときほど神経質に考える必要はありません。賃貸物件は良くも悪くも人のモノなので、条件が悪ければ転居すれば済みます。

そうは言っても、引越しは手間もお金もかかるので、不要な転居を避けるために少なくとも以下の点は確認することが望まれます。

1)沿線の「地域特性」

沿線により地域の特徴が分かれます。東京圏の場合、例えば東急線は山の手や新興住宅街に住むサラリーマンなどのホワイトカラー層の利用が中心となる一方、湾岸沿いの京急線は相対的に近くの工場に勤務するブルーカラーの利用者が多いという違いがあります。

2)「路線の利便性」

複々線か複線により利便性の差がかなり生じます。前者は各駅停車と急行等が別々の線路を走るため、実質的に利用できる本数が多い上に、電車の追い抜きも殆どなくダイヤの乱れも小さくなります。

南北線、副都心線、大江戸線など新しい地下鉄は深いところを走るため、ホームから地上に出るまでに結構な時間を要することにも注意が必要です。

3)「騒音」の度合い

町並みや各種施設以外の点で必ず確認したいことは、騒音の度合いです。幹線道路に面している物件では、あまり窓を開けられないでしょう。一方、少しでも奥に入れば道路に面した建物(ビルが多い)が音を遮るため、かなり静かになります。この点は地図を見れば分かりますので、必ず確認することをお勧めします。
・・・ほかにもチェック項目はありますが、近隣の他の物件と比べ何故か安い物件は、立地に落とし穴がある場合が多いです。

5.実は部屋探しより先に行うことは条件の明確化

先に賃貸物件の条件について見てきましたが、実は最初にしなければいけないのは、部屋探しを行う前に自らの住まいに関する「制約条件」と「満足条件」を明確にすることです。

1)部屋探しの「制約条件」

制約条件とは、自らの生活に課されていることです。一番重要なものは収入と金融資産ですが、このほかに部屋の立地や面積などが挙げられます。

一般的に住宅費は、年収の3分の1以下に抑えることが望ましいと言われています。通勤時間は、片道1時間30分を超えると肉体的な負担が相当大きくなります。とくに最近は、路線間の相互乗入が進んでいるため、確実に座って通勤できる駅が少なくなっています。電車に乗っている間はずっと立っている前提で通勤時間を見積もることが無難です。部屋の広さは、単身者で20㎡、カップルで35㎡、カップル+幼児1名で45㎡程度が下限ではないでしょうか。これより狭くなると、健康で文化的な最低限度の生活を送ることは困難なように思われます。

単身者で月収20~30万円程度の人であれば、月額賃料が7~10万円の範囲で通勤時間が1時間30分以内の賃貸物件を探すことが基本になるでしょう。

このように制約条件に基づき物件のアウトラインを固めた次の段階として、満足条件を具体的に整理していきます。

2)部屋探しの「満足条件」

満足条件とは、これがあれば望ましいということです。オシャレなデザイナーズ・マンション、鉄筋コンクリート造、築浅、2階以上、南向き、オートロック、モニター付インターフォン、宅配BOXなど建物や設備に関すること、都心5区、最寄駅から徒歩5分、コンビニまで徒歩1分など立地に関すること、バス・トイレ別、1LDKで40㎡以上など間取りや面積に関することが挙げられます。

制約条件を満たした上で可能な限り多くの満足条件をクリアーする物件を探せば、必然的に最適な住まいを手に入れることができます。

なお、制約条件は、「神聖にして侵すべからず」です。無理をして手に入れた住まいでは、安定的な生活を送れません。何らかのかたちで生活が破綻するときが訪れると思うべきです。これは本当に気をつけましょう。

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部屋探しを楽しむのもコツ

以上、プロが教えてくれない賃貸物件探しのコツでした。参考になりましたでしょうか?

部屋探しで、いろんな物件を見て回ることは、あれこれ想像して意外と楽しいもの。

いい物件の探し方のコツを押さえて、ぜひいい部屋を借りてください。

特に今回が社会人になって始めての一人暮らしという人は、理想通りにはいかないことも多いかと思いますが、いざ部屋に引っ越して暮らし始めると、「住めば都」の精神も大切。

一人で生活していくことは、社会人としての訓練にもなります。少々の不満には目をつぶってまずは新しい生活を楽しんでみるのがいいでしょう。

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あなたがいい部屋を見つけて、楽しく仕事が出来ますように。