過労を放置すれば、病気やケガになったり、重大なミスや事故を引き起こしたりします。
最悪の場合は亡くなることもあります。
そうした取り返しのつかない事態を招かないようにするためには、過労のサインを見逃さず適切に疲れをやわらげることが重要です。
ここでは自分でセルフチェックできる過労のサインと、職場の同僚や家族などの疲労状況を第三者として判断するための過労のサインを紹介します。
Ⅰ.セルフチェック項目
1.身体面に表れる過労のサイン
(1)倦怠感が抜けない
「何となくだるい」、「疲れが抜けない」などの倦怠感が続けば、過労状態に陥っている可能性が高いでしょう。
(2)常に眠い
常に眠いのはナルコレプシーなど特殊な病気に罹っている場合を除き、疲労が蓄積しているからです。
(3)熟睡できない
意外に思われる人もいるかもしれませんが、疲れていても緊張状態が緩和されないと、よく眠れません。
熟睡できる時間が短くなっているときも過労の可能性が高いと考えられます。
(4)頭痛がする
頭痛の原因はさまざまですが、仕事が忙しくなってから頭痛がするようになったのであれば過労が原因かもしれません。
(5)胃が痛くなる
胃が痛くなるということは、ガンや胃潰瘍を患っているか強いストレスを感じているかの何れかでしょう。どちらも過労が原因の1つとして挙げられます。
(6)下痢・便秘がひどくなる
下痢や便秘など整腸機能の低下も過労のサインです。
ストレスとの関連も強いため、とくに精神的な疲労回復を図ることが大切です。
(7)息切れしやすくなる
毎日の通勤で使う駅の階段の登りで息切れするなどの症状が出てくれば、慢性的な過労状態に陥っている可能性があります。
(8)脈拍が早くなる
安静な状態での脈拍が恒常的に早くなっていれば、過労が蓄積している可能性があります。不整脈も同様です。
心臓疾患に罹っているかもしれません。
(9)血圧が高くなる
高血圧は不摂生(生活習慣病)が原因かもしれませんが、短期間で大幅に血圧が高くなった時は過労の影響が疑われます。
(10)発汗量が増える・減る
長時間労働や睡眠不足で新陳代謝が乱れると発汗量が増えたり、逆に極端に汗をかかなくなったりすることがあります。
(11)手足のむくみが取れない
通常は朝から夕方・夜間にかけて手足がむくんできます。
朝の出勤時に靴を履くときむくみを感じるようであれば、かなり疲労が溜まっていると考えられます。
(12)手足がしびれる
むくみがひどい人の場合、疲労がさらに蓄積されると手足がしびれてくることもあります。
(13)湿疹が出る
感染症の罹患やアレルギー症状がないにも拘わらず湿疹・蕁麻疹が出たときは、ストレスや寝不足が原因かもしれません。
口内炎やヘルペスも要注意です。
(14)生理不順
女性の場合、生理不順は典型的な過労のサインです。体が悲鳴を上げていると考え休養を取りましょう。
2.行動面に表れる過労のサイン
(1)電車ですぐに空席を探すようになる
電車に乗るとすぐに空席を探すほど疲れているということは、明らかに過労状態と言えます。
(2)電車で寝る時間が増える
以前は電車の中で本を読んだりゲームをしたりしていたのが、座るとすぐに寝るようになれば、これも過労のサインでしょう。
(3)仕事の処理スピードが遅くなる
以前は15分程度で書いていた営業日報を作成するのに30分かかるようになるなど、仕事のスピード低下が顕著であれば過労が疑われます。
(4)ダラダラ仕事を続ける
プレゼン資料の作成など明確な区切りのない仕事をダラダラ続けている人は、過労により判断力が低下している恐れがあります。
(5)一人で仕事をする時間が増える
以前より一人で仕事をする時間が増えている人は、過度な仕事を抱え込んでいたり精神的な疲労が蓄積していたり可能性があります。
(6)趣味・レジャーの時間が減る
忙しくても心身に余裕があれば、趣味やレジャーに当てる時間は極端に減りません。
まったく遊べなくなった人は過労気味の可能性大です。
(7)一人で食事をする回数が増える
仕事と同じで、食事も一人でとる機会が増えていれば、仕事の抱え込み過ぎや精神疲労の蓄積が疑われます。
3.精神面に表れる過労のサイン
(1)幸福感が薄れる
以前より楽しい、幸せだと感じる機会が減っていれば、精神的な疲れが蓄積している可能性があります。
(2)出勤するのが嫌になる
夜遊びした翌日とか二日酔いとか、特別な理由がないにも拘らず出勤したくない気持ちが強くなっていれば、精神的にかなり疲弊していると考えられます。
(3)休日も仕事が頭から離れない
仕事の性質や内容にもよりますが、休日でも仕事のことが頭から離れなければ十分にリラックスできず疲労が溜まっていきます。
(4)仕事に対する不平不満が蓄積する
仕事に対する不平不満が増えれば当然ストレスも溜まるため、疲労が蓄積されやすくなります。
(5)家族に対する不平不満が蓄積する
家庭不和であれば家でリラックスして休むことはできません。
仕事の負荷は変わらなくても過労状態に陥るリスクがあります。
(6)食事が楽しくない
食事は日常生活における楽しみの1つです。それを楽しく感じる余裕がなければ過労のサインが出ていると考えられます。
(7)入浴が面倒になる
一部の風呂ギライの人を除けば、入浴は心身のリフレッシュにつながる楽しい行為です。
それが面倒になる原因も過労にある場合が多いと思われます。