自転車通勤には、けっこうな運動効果があります。

運動したいけれど、仕事が忙しくてなかなか時間が取れない……そんな人にもおすすめなのが自転車通勤なのです。

体力向上やダイエット効果に加え、心もリフレッシュできる上、交通費の節約にもなるチャリ通勤を、快適に続ける方法を紹介しましょう。


自転車通勤での運動効果は?

自転車での移動は歩くより楽チンに感じますが、実は足の筋肉をフルに使っての立派な有酸素運動になります。

お尻から下の筋肉は全身の筋肉の約70%。これを動かすということは、とても効率的な脂肪の燃焼が可能です。つまりダイエット効果は抜群!

さらにハンドルを引きつけてペダルを漕ぐことで上半身の筋肉も鍛えられるので、実は自転車に乗ることでほぼ全身運動を行っているのです。

足を動かすだけならウォーキングでもいいのでは?と思いますが、実は自転車で運動すると、インナーマッスルを鍛えやすいという特徴があります。

他の運動ではなかなか鍛えにくい、立った時の姿勢を支える腸腰筋など、ペダルを漕ぐ軽い負荷の運動を長時間続けることで骨に近い部分の筋肉が鍛えることができるのです。

こんな効果のある自転車での運動を、特別な時間を割くことなく行えるのが自転車通勤のメリット。以下、初心者向けに自転車通勤の準備について紹介します。

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1:通勤ルートに合った自転車を選ぶ

さて、みなさんが普段乗っている自転車はどういうものでしょう。おそらくホイールは26インチでギアチェンジは無しかあっても3段まで。カゴと泥除けのついた1~2万円台の、いわゆるシティサイクル(別名ママチャリ)といわれる自転車に乗っている人がほとんどでしょう。

1)ママチャリ

シティサイクルでも家から駅程度の問題ありませんが、10キロ以上の距離になると、かなりの疲労になってしまいます。まず自転車通勤を始めるなら、シティサイクルではなく5万円以上のクロスバイクか、マウンテンバイクを選びましょう。

マウンテンバイクの特徴は、簡単に言えばタイヤが太くフレームが頑丈な点です。通勤経路が未舗装だったり、段差が多いのならば、マウンテンバイクのほうがパンクしにくいのでおすすめです。またマウンテンバイクはサスペンションが付いていることが多いので、段差の多い道でも疲労度は軽くなります。

2)マウンテンバイク

対してクロスバイクはマウンテンバイクよりタイヤが細く、フレームも軽くなっています。そのため車重も軽く(10〜12kg)、より早いスピードが出ます。通勤経路が段差の少ない舗装された車道がメインなら、クロスバイクを選びましょう。

3)クロスバイク

どちらもエントリーモデルは、各メーカー5万円台から揃っています。もちろん高価格モデルもありますが、最初の1台としては5万円台がおすすめです。この値段なら仮に自転車通勤をやめてしまっても、それほどダメージはありません。エントリーモデルにしばらく乗って物足りないようでしたら、より上位のモデルにステップアップすればよいのです。


2:自転車で走りやすいルートを選ぶ

仕事場にはもちろん早く着いたほうがいいのですが、実は最短距離であればいいというものではありません。マップ検索で出てくるルートは高低差は示されないので、最短距離を走ってみたら意外にアップダウンがあってバテバテになってしまった、ということが多いのです。朝から通勤で疲れきってしまっては、仕事になりませんね。そんなことがないよう、マップで複数のルートを検索し、なるべくアップダウンの少ないルートを選ぶようにしましょう。

またGoogleマップも自転車には最適化されていないので、高架や危険なトンネルなどを通る道が表示されることもあります。アップダウンがあるのか、危険な場所があるのか、まったくわからないところは車で事前に走って確かめるのもいいでしょう。

また、交通量も見逃せないポイントです。主要な駅周辺などは、朝の通勤渋滞が発生するところが多く、自転車といえどもスローペースで走らざるを得ません。駅周辺を避けるルートを見つけるか、混んでいる時は裏道を走るようにしましょう。土地勘がないと裏道は見つけにくいものですが、そういう時は周りの同じ自転車乗りの先輩を観察してみるといいでしょう。混んでいる中、スッと脇道に入っていくのでついていったら、意外と便利な裏道だった、ということはよくあります。

数ある中から自分に合ったルートを見つければ、自転車通勤も快適に続けられます。


3:無理の無い距離を設定する

いくら便利と言っても、自転車通勤で体力を消耗して仕事に差し障りがあっては本末転倒です。毎日続けられる自転車での通勤距離の目安は片道で15kmくらいまでと言われています。

体力やルートにもよりますが、5~10kmくらいが無理なく始められる距離です。といっても自宅から会社が遠く15km以上の距離になってしまう時は、上手く電車を活用しましょう。自転車通勤と言っても、なにもすべて自転車で移動する必要はないのです。

例えば家から10kmぐらいの駅までは自転車で、そこからは電車で仕事場に行くのです。駅の近くに駐められる場所があることが条件ですが、最近は違法駐輪対策で駐輪場も増えているのでチェックしてみてください。

また最初に電車を使って、駅から仕事場は自転車でもかまいません。仕事場に自転車を駐められる場所が必要になりますが、仕事中のちょっとした外出に自転車が使えるので、なにかと便利です。


4:自転車通勤するなら、自転車保険に入っておこう!

自転車保険は、自転車に乗っている時に事故にあい、自分のケガに対する補償や相手にケガを負わせてしまったた場合の損害賠償に備えることのできる保険です。

路上を走る以上、交通事故のリスクはつきものです。2013年に自転車に乗っていて歩行者と追突し9500万円の賠償責任が認められたように、これからは自転車側が被害者だけでなく加害者になる可能性も高くなっています。自転車は自動車と違い、自賠責保険のような強制加入の保険制度がありません。通勤に自転車を使う人は、もしもに備えて入っておくことをお勧めします。

自転車保険は自動車保険や火災保険でカバーされていいたり、オプションで後から付加できることもあります。そちらに未加入なら、自転車保険単体の保険商品もあります。月額数百円から入れますので、負担もそれほどではないでしょう。各保険会社の商品を検討して自分に合ったプランに加入しておきましょう。

ただし自転車保険は盗難まではカバーしていません。そちらは別に盗難保険に加入しておきましょう。

5:自転車通勤おすすめグッズ

通勤に自転車を使うとなると、夜に走ること、荷物、服装など、気をつけておいた方がいいことが様々あります。チェリ通勤を助けてくれる、準備しておくと便利なグッズを紹介します。

1)自転車用の防水ライト

自転車用ライト

シティサイクルと違い、クロスバイクやマウンテンバイクはライトが標準装備されていません。まず自転車と同時に買っておきましょう。よく夜間にもかかわらず、ライトをつけずに乗っている人がいますが、これは立派な道路交通法違反。自分もまわりも危険なので、無灯火は絶対にやめましょう。

ライトは各種ありますが、おすすめなのは充電式です。特にUSB経由で充電できれば、会社のパソコンから充電できるので便利です。

2)自転車乗り用のバッグ

メッセンジャーバッグ

やはりシティサイクルと違ってカゴがないので、バッグも必須です。両手が自由になるメッセンジャーバッグやリュックが快適です。

 

とはいえ、仕事で外に行く時、スーツにこれらのバッグではあまりに不自然です。スーツ着用の仕事をしているなら、大きめのメッセンジャーバッグの中にビジネスバッグを入れてしまいましょう。容量の大きいバッグなら、レインウェアも入れられるので便利です。

3)空気入れ

空気入れ

自転車のメンテナンスで最も気にしたいのが、タイヤの空気圧です。空気が減ると速度が落ちるだけでなく、パンクの可能性も高くなります。必ず購入して、こまめに空気圧をチェックするようにしましょう。

この時、注意したいのがバルブ(注入口)の種類です。バルブには英式と仏式の2種類があり、クロスバイクなどはほとんどが仏式になっています。両方に対応できるよう、カートリッジ付きのものがあるので、そちらを選びましょう。

4)ズボンクリップ

ズボンクリップ

またこの手のスポーツ自転車はチェーンカバーがないため、服装はそのまますぐ仕事が出来るようにしようとするとスーツということになりますが、スーツのまま乗ってしまうとズボンの裾が汚れてしまいます。裾がヒラヒラしないよう、ズボンの裾止めバンド(アンクルバンド)も必須です。マジックテープがついていて、足首に巻いて止めるタイプがほとんどです。リフレクター(反射板)が付いているのもあり、夜間も安心して乗れます。

5)着替えのシャツ、汗拭きタオルなど

夏でなくても自転車に30分以上乗っていると、汗が噴き出してきます。健康のためにはいいのですが、汗臭いまま仕事をするのは周りに迷惑。バッグの中には着替え用のシャツを用意しておきましょう。

また汗を拭くデオドラントシートや、制汗スプレーも使えば、着替えたあともさわやかな気分になれます。

これだけで平気?と思うかもしれませんが、人間の体は普段から汗をかいていると、それほどは臭わないものです。自転車通勤を始めてしばらくは溜まった老廃物が出るのか、ベタッとした汗で臭いますが、しばらくすればあまり臭わないサラサラの汗になるので、拭いて着替えるだけでも十分なのです。


自転車通勤で定期的な運動を

健康を維持するのに、最も大切なのが毎日運動をすること。自転車通勤はそれを可能にしてくれます。

そして自転車通勤は心の面でもメリットがあります。運動をすることで仕事場に着いた時には、すぐにタスクに取り掛かれる状態に脳がなっているので、仕事の効率もアップ。また、仕事で嫌なことがあっても、帰りにペダルを30分もこげば、すっかり吹き飛んでしまいます。体と心、両方にいい自転車通勤をぜひ始めてみましょう!

また、201561日から警察による自転車の取り締まりが強化されました。マナーを守らない自転車が増えたことを問題視しての措置ですが、これも安全のため。くれぐれもマナー、道交法は守って、自転車通勤をするようにしましょう。

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あなたの通勤がもっと楽しくなりますように!