年収1000万円の人はサラリーマンの平均給与額(420万4千円:国税庁「平成27年分 民間給与実態統計調査」)の2倍以上を稼ぐ高額所得者です。

それにもかかわらず貯金できない人には、何らかの問題があるはずです。

無駄遣い、身の丈に合わない贅沢、思わぬ出費がなぜか毎月あるなど、いろんな原因が考えられますが、なにか心当たりはありますでしょうか?

稼いでる筈なのに、なぜか貯金できない理由を整理して、その対策を解説します。


年収1000万円の人の貯金可能額

年収1000万円の人の貯金可能額は、生活環境や家族構成などにより異なりますが、ここでは無理せず計画的に貯められると思われる金額を見ていきます。

ほんとはこれだけ貯まっていたはずなのに……ということになっていたら家計を見直してみましょう。

1.単身者

年収1000万円の人の手取り額は700万円程度なので、節約の仕方によっては400万円を貯金できると考えられます(多少支出を多くみても300万円は貯蓄に回したいところ)。

内訳は地域により多少の差はありますが、以下の通りです。

    住居:月額10万円程度
    賃貸で立派なワンルールマンション

    光熱費:月額3万円程度
    電気、ガス、水道、通信費、NHK受信料などの負担額はライフスタイル次第ですが3万円以内に抑えられるのではないでしょうか。

    食費:月額6万円程度
    3食とも外食することも想定して1日2000円で計算しています。

    ここまでの合計額は月額19万円1年間で228万円になります。

    このほかファッション、交際関係、趣味、旅行、保険などに100万円使うと仮定すれば、年間支出額は約330万円です。

2.DINKS

あらゆるコストが単身者の2倍になると仮定した場合、年間支出額は660万円程度になります。

実際には家賃、水道光熱費、食費などは2倍を下回ることが多いでしょうから、100万円程度は無理なく貯められるのではないでしょうか。

また夫の年収をだけで1000万円と仮定すれば、妻の手取り年収は全額貯金に回せる計算となります。

3.ファミリー(2世代)

ライフスタイルや教育方針が多様化している中で、最低でも●●万円は貯金できるはずというガイドラインを示すことは難しいです。

ただ、はっきりしているのは、一昔前の標準世帯のように専業主婦の妻と子供を扶養する世帯はもっともお金が貯まりません

2世代家族では、住居費、食費、教育費、水道光熱費、通信費、自動車関連費、娯楽費、生命保険料など費目ごとに上限を設定して、収入との差額を貯金に回さなければ1円も貯まらない、むしろ教育ローンや住宅ローンで借金の方が多い世帯も多いでしょう。

とくに教育費は子供が年齢を重ねるにつれ増加するため、「高校までは公立校に通わせる」、「習い事は2つまでしかさせない」など明確な方針を定め予算枠を設定しなければ、いくらでも使ってしまいます。

4.ファミリー(3世代)

地方都市で多くみられる3世代同居家族の場合、住宅ローンや家賃負担のない世帯が多いと想定されます。

祖父母世代も勤労所得か年金収入を得ていて、父母世代の支出は住居費負担が少ない点を除けば2世代家族と大きく変わらないケースが一般的ではないでしょうか。

このため、住居費相当額(1か月10~20万円、年間120~240万円)の貯金は十分可能だと考えられます。

自分の状況を見て、本来どのくらい貯金できているのか検証してみましょう。

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年収1000万円の人が貯金できない理由

年収1000万円の人が貯金できない理由はさまざまですが、収入が足りないのではなく支出管理ができていないと認識すべきです。

1.扶養家族が多い

家族が多くなれば当然支出も増えます。

扶養家族を減らす(妻が働きに出る)とか1人当たりの扶養費用を下げる工夫が必要になります。

2.住居費が高い

都心の便利な場所の広い家に住めば、かなりの費用がかかります。

分相応の家に住むことが大切です。

東京エリアでは荒川、江戸川、多摩川を超えて1駅先の埼玉県、千葉県、神奈川県に住むだけで家賃負担は目に見えて減ります。

3.自動車費が高い

自動車と住宅はセットで考えましょう。

高級車は購入する金額だけでなく維持費も高いです。

都心部や駅チカで鉄道の利便性の高い場所に住むのであれば、自動車を持たない生活を検討すべきです。

損害保険料、駐車場代、ガソリン代だけでも1か月に3、4万円程度は節約できます。

4.教育費が高い

子供の教育にはお金を惜しまないという親心は分かりますが、「ない袖は振れない」ことを忘れてはいけません。

どこかで歯止めをかけることが重要です。

習い事を1つやめさせるだけでも1か月に1万円前後の節約になるはずです。

5.グルメ

美食も悪くありませんが限度を認識すべきです。

1回3万円のフルコースを家族4人で食べれば10万円を超えます。

1年間で小型車を買える金額になることを肝に銘じましょう。

6.お金のかかる趣味

趣味が多いのは良いことですが、お金のかかる趣味に没頭するときには注意が必要です。

スポーツ、音楽は全般的に装備、器材、遠征にお金がかかります。

マラソン大会に何回も出れば、遠征費と大会参加費だけで何十万円もかかります。

ゴルフの会員権は安くなったとはいえそれなりの金額がしますし、日曜日にコースに出れば1万円程度は最低でもかかります。

7.旅行好き

一般的に趣味・娯楽の中でもっともお金がかかるのが旅行です。

家族4人で1泊温泉旅行に出かけるだけでも10万円近くの出費になることも珍しくありません。

8.実家が遠い

実家が遠いと年2回の帰省だけでも数十万円の出費になります。

お盆と正月くらいは帰省したいという心情は理解できますが、見直す余地はあります。

9.要介護家族がいる

これは仕方ありませんが、要介護の家族がいればお金がかかります。

公的扶助の活用や親族間の協力により負担軽減を図ることも必要です。

10.持病を抱えている

持病を抱えている人も治療や通院にお金がかかります。

医療費控除や高額医療費制度を活用して負担額を減らす工夫をしましょう。

11.美容

いつまでも美しく健康でいたいもの。その気持ちはわかりますし、夫であれば妻にはキレイでいて欲しいでしょう。

しかし、数万円以上する高級な化粧品や同じく1回で数万円のエステなど、やりだしたらきりがありません。

12.健康オタク

健康食品やサプリメントなど、広告につられてあれこれ買っているとトータルでは大きな出費になります。

オーガニックの有機野菜やマクロビにはまりすぎると食費の高騰につながることがあるかもしれません。

トレーニングジムは公共の施設などを利用することで会費を節約できます。

13.クレジットカードを多用する

クレジットカードを利用すればその場でお金を払わずにモノやサービスを買えるため、金銭感覚がマヒする原因になりかねません。

とくに分割返済のリボ払いには注意が必要です。

14.保険に入り過ぎている

生命保険、ガン保険、傷害保険などに多く加入している人は解約余地が大きいはずです。

とくに住宅ローンを組んでいる人は生命保険を見直しましょう。
生命保険はいらない理由5つ。必要性なく事情で入る人の見直し項目

団体信用保険に加入しているはずなので、万が一、早世してもローンは完済され家族に自宅を残せます。

15.税金と社会保険料のことを考えてない

年収1000万円といっても税金と社会保険を引いた手取りは、家族構成などにもよりますがだいたい700万円。

ある程度高い収入と言えますが、これで散財していてはお金は貯まりません。

16.実態を把握していない

    「収入は多いのになぜか貯金できない」
    「妻が知らないうちに散財している」

といった声も聞きますが、そうした家計の実態把握を行っていない人はお金が貯まりません。


年収1000万円の人が貯金するために必要なこと

年収1000万円の収入があろうが、貯金額が自然に増えることはありません。

貯金するためには一定の努力が不可欠です。

年収1000万円 計画的に貯金

1.家計簿をつける

まず実態把握のための家計簿をつけましょう。

いきなり気合を入れて精緻な家計簿作りを目指すと挫折しますので、簡単なことから始めましょう。

生活費用の預金口座を1つにまとめれば、通帳記帳だけでも大まかな家計簿代わりになります。

2.目標貯金額を設定する

目標がないとなかなか貯金できません。

毎月5万円、ボーナスで30万円など具体的な水準を設定しましょう。

始めは挫折しないように低めの目標を設定することが大事です。

外食とかタクシー利用とかを少し抑えるだけで貯まる金額を目標にすると良いでしょう。

3.支出の優先順位を明確にする

支出項目を絶対に削れないものと我慢できるものに分けることも重要です。

教育費でも学校に納める入学金、学費、教材費、給食費などは削れませんが、習い事や稽古事の中にはカットできるものがあるかもしれません。

4.現金主義に徹する

クレジットカード(とくにリボ払い)を多用するといくらお金を使ったか、手元にいくら残っているのかが分かりにくくなります。

現金主義に徹すれば支払額と手元残高をリアルに把握できるため、無駄遣いのブレーキがかかりやすくなります。

5.FPに相談する

プロの目で資産形成のアドバイスをしてくれるファイナンシャルプランナー(FP)に相談する手もあります。

当人にとっての必要性や利用頻度などを踏まえ、削減可能な支出をアドバイスしてもらえます。

6.無理しすぎない

貯金はダイエットと同じです。

目標を高く掲げすぎると無理がたたり息切れします。

「貯金のために我慢している」という気持ちにならないよう少しずつ貯めることが大切です。


年収1000万円でも計画的に貯金を

年収1000万円の人は高額所得者であることは間違いありませんが、それは相対的な位置づけに過ぎません。

絶対水準として腐るほどお金を持っている訳ではないため、使い方を考えないと貯金は増えません。

人より多く稼いでいるから少しぐらい贅沢して当たり前」と考えるのではなく、人より多く稼いでいるから貯金する余裕があると思えば無理なく着実に貯められるはずです。

将来(老後)に備え計画的に貯金することを考え実行していきましょう。

 
そして、貯金や節約は頑張るとして、もっと収入を伸ばすというのも考えておきたい方向ではあります。

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あなたの貯金額が増えていきますように。