年収1000万円サラリーマンの人生設計は、その人の置かれた環境により大きく内容が異なります。
もっとも大きな影響を及ぼすのは居住地です。
住宅コストに大きな開きがあるだけでなく就労先もまったく異なるからです。
ここでは大都市サラリーマンと地方サラリーマンに分けて、年収1000万円サラリーマンとその予備軍となる若手の家計戦略について解説します。
大都市の年収1000万円サラリーマン人生設計
年収1000万円を稼ぐサラリーマンの多くは大都市圏に住居を構え、都心の企業に通勤します。
そこでは、アグレッシブに稼いでさらに上を目指すパターンと、年収1000万円の収入とそれによって形成できた資産をキープするパターンに大別できます。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1.ブル型戦略(攻めの戦略)
年収1000万円は通過点に過ぎず1500万円、2000万円とさらに伸ばすことを考える場合の戦略です。
大都市居住者であれば、1000万円よりさらに上の年収を目指せる人は多いはずです。
(1)キャリアプラン
大都市で働くサラリーマンの場合は転職チャンスが大いにあるため、その可能性を踏まえた上でキャリアプランを描くことが大切です。
とくに30歳そこそこで年収1000万円に到達する外資系金融機関、大手コンサルティング会社、大手商社などに勤務する人は、ひたすら出世するか退職するか(up or out)のサラリーマン人生を送ることになるため、その後のキャリアプランを考えることが大切です。
キャリアにキズがつかない若手のうちにベンチャー企業などへ転職することも頭に入れておくといいでしょう。
(2)家族構成
年収1000万円でも専業主婦と子供2人を養うのは大変です。
妻を働きに出さず子供2人を中学校から私立に通わせて塾や習い事も好きなようにやらせたいと思えば、年収1500万円、2000万円と上の収入を目指し続けなければならないでしょう。
(3)住宅
住宅については、積極的に資産形成を考えるのであれば都心の分譲マンションに住むことをオススメします。
郊外のマンションや戸建て住宅は買った直後から市場価格が下がります。
一方で都心の高級マンションは値上がりを期待できます。
実際に2010年から2012年頃に販売された多くの物件の市場価格はその後上昇しています。
オリンピック後がどうなるか不透明な部分があるので、住居に資産を固定させずに賃貸でというのもよい方法かもしれません。
もう少し慎重に住宅を選びたいという人は社宅に住むべきです。
会社が提供する物件に住めば、相場の半値以下の家賃で生活できます。
また個人で探してきた物件を借り上げ社宅にしてもらえれば、税金や社会保険料を節約できます。
例えば年収1000万円の人が年間賃料240万円の物件の半額を社宅費として会社に負担してもらう形にすれば、税金や社会保険料を40万円程度(120万円の3割程度)減らせます。
(4)マイカー
仕事で車を利用する人やドライブが趣味の人を除けば、マイカーを持たない(持たずに済む)戦略を考えるべきです。
都心の高級マンションに住めばマイカーは不要です。
日常生活で車が必要な場面はほとんどなく、タクシーを利用しても1回2000円を超えるケースは稀なはずです。
車を使用したい時はレンタカーやカーシェアリングが豊富にあります。
年収1000万円に相応しい高級車に乗りたい!という気持ちもわかりますが、年収1000万円程度で都心に住み高級車を維持するには他のものを諦めなくてはいけません。
(5)資産運用
年収1000万円は2015年の国税庁「民間給与実態統計調査結果」によれば給与所得者の上位4.4%に入る高額所得者ですが、それは相対的な話です。
絶対的には700万円程度の可処分所得しかなく、都心で優雅な生活を送れるほどの金額ではありません。
より高いレベルの生活を目指すのであれば、不動産投資、FX運用、最近話題の仮想通貨投資(ビットコインなど)を検討しましょう。
個人のバランスシート(資産負債額)を大きくして、リスク分散を図りながら収益獲得のチャンスを増やすことが大切です。
2.ベア型戦略(守りの戦略)
年収1000万円稼げればサラリーマンとしては上出来であり、無理に上積みを目指さないという発想もあります。
今の職場で堅実に働き続ける場合の戦略は、攻めの発想とは大きく異なります。
(1)キャリアプラン
40代で年収1000万円に到達する大手メーカー社員や公務員の場合、定年まで(さらには雇用延長される65歳まで)転職しない前提でキャリアプランを考えることは、極めて現実的な対応です。
【注意!】これから年収1000万円を目指す若手の場合は、転職の可能性を排除すべきではありません。
しかし、すでに年収1000万円プレーヤーになっている40代、50代の人であれば、60歳(65歳)までの「逃げ切り戦略」を考えることがもっとも無難です。
その際、一番大事なことは賃金カット(年収のピークアウト)と退職金額を見極めることです。
多くの企業では雇用延長と引き替えに賃金カット率を高めたり退職金額を引き下げたりしています。
役職定年で大幅に給与を下げてくるケースも見られます。
45歳でようやく年収1000万円に到達した人と55歳で定年目前の人では、同じ企業に勤めていても異なる戦略を考えるべきです。
(2)家族構成
現役1000万円プレーヤーの場合は家族構成が大幅に変わる可能性は低いと思われますが、家族一人ひとりの経済的な立場は変化していきます。
例えば専業主婦の妻が仕事を再開したり、子供が就職して赤字要因から黒字要因へ転嫁したりします。
自分も含め家族一人ひとりの予想収支額を長期にわたり試算して、子供の教育費の上限額を設定したり妻に期待する収入額を算定したりすることが重要です。
(3)住宅
大手メーカー社員や公務員で堅実な生活を送り定年まで勤め上げることを想定している人は、可能な限り長く社宅に住むべきです。
とくに公務員の場合は官舎に住み続けやすいため、家賃を節約してコツコツ貯蓄しましょう。
(4)マイカー
マイカーを持たずに生活できる場所に住むことが理想です。
ブル型戦略の場合と同じく、レンタカーやカーシェアリングの利用を検討しましょう。
勤務先の都合などで郊外に居住する場合は、住宅費とマイカー費をトータルで管理することが大切です。
ガソリン代、駐車場代、保険料、車検料、税金、ローン金利、減価償却費(車の価値減耗分)などマイカー維持には、さまざまな費用がかかります。
(5)資産運用
堅実派の資産運用の鉄則は、元本保証型の金融商品以外に手を出さないことです。
資産運用は増やすために行うものではなく、保管手段だと割り切ることです。
また多額の住宅ローンを背負って家を買うことも厳禁です。
いったん買ってしまうと実際に住む家を資産として考えざるを得なくなりますが、高い市場価値を維持できる物件は限られるからです。
地方在住の年収1000万円サラリーマン人生設計
地方の場合、年収1000万円サラリーマンはエリートです。
公務員、地方銀行の中堅幹部など限られた人しか得られない収入です。
ほとんどの人は無理に収入を増やす必要はないため、堅実な家計戦略が中心となります。
1.キャリアプラン
地方では年収1000万円を得られる勤務先は限られます。
このため定年まで勤め上げることを前提にキャリアプランを考えるべきです。
これから年収1000万円を目指す若手の場合は大都市に出て働くことや起業の可能性も考慮すべきですが、中堅・ベテランは定年までの生き残り戦略を検討することが無難です。
2.家族構成
地方は大都市と比べ住宅費が大幅に低いため、家族の養育費・教育費を手厚くする余裕があります。
年収1000万円あれば専業主婦と子供2人を無理なく養えるでしょう。
ただし資産家や名士の家庭の影響を過度に受けないように注意する必要があります。
地方では銀行員や公務員は、公私両面にわたり地元の資産家や名士と接触する機会が少なくありません。
そうした中で生活の基準をこの人たちに合わせようとすれば、大変なことになります。
例えば子供を中学校から関東、関西の名門私立へ通わせるようなことになれば、東京のサラリーマンより養育・教育費が高くなりかねません。
3.住宅
もともと地方は持ち家比率が高いので、1000万円プレーヤーの道が拓けている銀行員や公務員が借家に長く住むことは考えられません。
転居を伴う転勤が多い職場でない限り、30歳を過ぎれば一戸建てに住むことが普通でしょう。
住宅価格(土地)も高くないうえ親と同居する可能性も高いため、多額のローンに苦しめられる心配はそれほどありません。
4.マイカー
地方では大人1人に車1台が常識です。
マイカー所有は避けられませんが、高級車に乗る必要はありません。
あまり高い車に乗ると周囲の人に妬まれかねないため、無難な車を選びましょう。
家族全員で乗る機会の多い車は多少値の張るワンボックスカーにする一方で、一人で通勤や買い物に使う車は軽自動車にするなど目的に応じた使い分けが重要です。
5.資産運用
地方で年収1000万円を稼げる人の生活基盤は強固です。
無理に資産運用を考える必要はありません。
下手にアパート経営などに手を染めればかえって赤字が膨らみかねないので、元本保証型の金融商品で安定的に運用すべきです。
どうしても不安な人は、リスク分散の観点から外貨預金や外国株式投資を検討するとよいでしょう。
長期的な観点から戦略を練ることが重要
年収1000万円サラリーマンの家計戦略は、それを一層増やすように攻めるか逆に守るかにより大きく異なります。
攻めと守りの戦略の選択は本人の嗜好だけでなく周囲の環境の影響も受けます。
職場の風土、年齢、家族構成、居住地などを踏まえ長期的な観点から戦略を練ることが重要ですが、一番大切なのは年収1000万円を客観的に評価することです。
相対的にみれば年収1000万円は高額所得です。
それだけ稼げることを誇りに思うべきですが、絶対的にはお金持ちとは言えないという謙虚な気持ちを忘れないようにしましょう。
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